轟くんはビンタされても近づきたい【轟焦凍】 (ページ18)

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18話　轟くんは介抱したいページ18

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轟くんに連れられて寮の外に出た。

「わりぃ、連れ出しちまって」

轟くんとまともに話してから結構"わりい"って聞いてるけど
なんかあんまり申し訳なさそうに聞こえない。失礼って自覚はあるけども。

「ううん、大丈夫」

二人でいることが極端に増えたし…
まだ数日しか経ってないけど慣れてきた。

「あの剣、結構デカかったよな。体調とか大丈夫なのか？」

「うん、大丈夫だよ。」

それ聞くために連れ出したのかな？
気を遣ってくれたのかな。

「いやでも、鼻血出てんぞ」

「ウソ！！？」

サッと鼻の下を手で押さえて、離すと血がついていた。

鼻血出してるのを気遣ってくれたんだ。とんだ勘違いするところだった…

「ほら、ティッシュ。」

「ありがとう轟くん。
私の"個性"イメージしないと刃物作れないから、頭使うんだよね。元々頭使うの得意ってわけでないからたまに鼻血出すんだよね…」

「だからたまに鼻血出てたんだな。暑いからだと思ってた」

「あはは…あっ、轟くん皆のとこに戻っていても大丈夫だよ。
鼻血止まるまで多分時間かかるし」

「嫌だ。Aと二人でいてえ。」

ティッシュで鼻押さえてる姿見られたくないのもあるから
戻っていいよと言ったら速攻で拒否された。

「轟くん、鼻血出して鼻押さえてる姿って、あんまり見られたくないんだよね。」

「大丈夫だ。俺は気にしない。」

いや、私が気にする！
って言いたいけど口に血が含んでたこともあって言わなかった。
言ったところで轟くんが引くわけがない。

「鼻血の時は冷やすといいって聞いたことがある。
ちょっと触るな」

「えっちょ、わっ！？」

ぴとっと轟くんの冷たい手が私の鼻に触れた。
私も自分の鼻を押さえてるからちょっと私の手にも触れている。

なにこれ第三者から見たらすっごい恥ずかしいやつじゃん！

「轟くん！大丈夫だから！」

「あ、首の後ろ冷やすといいっていうのも聞いたことがある。」

「話聞いて……冷たい！！」

私の髪を上げて、"個性"で冷たくなった手が首筋に伝わる。

善意しかないんだろうけどマジで話聞いてない…！
一歩間違えたらセクハラと間違えられるレベルのことやってるって自覚あるかな…心配だよ、轟くん。

「そういやAの部屋ってテレビあるよな？」

急に話が変わるのも轟くんの特徴の一つだ。
縦に一回頷いた。

「明日か来週の休みに部屋行ってもいいか？」