差し伸べられた事 ページ19
ただ単に行く場所はあるのかと聞いているのか。
それとも＿＿
早くここから出ていけ、という遠回しの言い方だろうか。
…きっと後者の可能性が高いだろう。
異世界から来た能力者、など邪魔に決まっている。
負けたとはいえさっきまで隊長とやりあっていたんだ。
私は返事を考えた。
元いた世界に、私の居場所といえばあの職員がいる孤児院と、学校くらいだ。
…いや、学校にも友達といえるような奴はいなかったな。
みんな私の個性がよくわからずに怖がっていたし、先生も素性がわからない私にあまり関わって来なかった。
爆豪と緑谷は。
爆豪、か…あいつは私の個性を見せても唯一怖がらなかった奴だった。まぁあいつ自身強い個性を持っていたから当たり前といえば当たり前だが。
あいつの自信家な所に救われた時もあった。
緑谷は優しくていい奴だったし、個性が無いのに頑張ってる姿は凄いと思ってた。ノートを見せてもらった事があるが、あの書き込み量は努力した者にしか作る事はできないような代物だ。
初めて感謝されたのはあいつだった。
戻りたいと思う要因は充分にある。
だけど＿＿だけど、言ってしまえばそれだけなのだ。私にある理由というのは。
私が死んだ所であいつらが悲しむかと聞かれればそうではないと思うし、正直私がいなくなって嬉しく思う奴らばかりだろう。
だが、こちらにいる理由も見当たらない。
来たばかりで知り合いもいない。…まだこの世界についてわかっていない事もたくさんある。
詰まるところ私には居場所が＿＿
「無い、な。
…あー、マルコだったよな。迷惑かけて悪かった。
すぐ出てくから安心してくれ」
そう言うととマルコははぁ、とため息を吐いた。
マ「別に迷惑だとは思ってねぇよい。
ていうかお前、多分オヤジの言葉を履き違えてるよい」
どういう意味だ？と問う前にマルコは白ひげの男の方にくいっと顔を向けた。
そいつの顔を見ると、相手は私をじっと見据えていた。
白「グラララ…俺はお前に、ここにいていいと聞いたつもりだったんだがな」
「……は？」
一拍遅れて疑問を返すと、白い男はニッと笑った。
白「ここにいていいと言ったんだ。
その様子じゃあ、行くあてがねぇんだろう」
その通りだ。その通りだけど＿＿
「…こんな素性の知れねぇやつ乗せて、いいのかよ」
白「グラララ、そんなもんはこれから知っていきゃあいいのさ。
…それで、どうする」
私はその言葉に、答えを迷った。
終わり
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レイ(プロフ) - 吹雪な影さん» ありがとうございます！！ 更新停止してしまって申し訳ないですm(_ _)m いつ投稿できるかはわかりませんが、ゆっくり書いていこうと思います。 (2017年10月13日 23時) (
レス) id: 508a02ddb2 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - mさん» ありがとうございますヽ(；▽；)ノ コメントめっちゃ遅くなってごめんなさい！！ (2017年10月13日 23時) (レス) id: 508a02ddb2 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪な影 - 更新楽しみにしてます！無理しない程度に頑張ってください (2017年4月28日 23時) (レス) id: dc73484863 (このIDを非表示/違反報告)
m - 続きがとても楽しみです♪( ´▽｀) (2017年1月26日 22時) (レス) id: 91c93c2a9a (このIDを非表示/違反報告)
m - 続きがとても楽しみです♪( ´▽｀) (2017年1月26日 22時) (レス) id: 91c93c2a9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2016年12月18日 17時
