厨二病の彼

キスをした日7 -遊園地-(海藤) ページ30

*



………Aに…………ほっぺにき、ききキス………されてしまった………

…………や、柔らかかっ……………

うわああああああ………！！！！！


俺は頭を掻き毟る。
何考えてんだ俺……！！


「どうした瞬？百面相して」

「あ、あああ亜蓮……！！！なななな何でもないぞ！！！」

「何でもないって顔じゃねーだろ。…さては、Aとなんかあったな？」

「！！！！！」


あ…亜蓮はエスパーなのか……！？


「…その顔は図星だな。…おうおう、何があったか話してみろよ」


亜蓮は肘で俺の腕をつつく。

「………じ、実は…………」



「………はぁぁ？ほっぺにキスぅ？？？」

「あっ亜蓮！でかい声で言うな！！」

「…んな大したことじゃねぇだろ。つーか……その調子だと瞬、お前………普通のキスもまだだろ」


ギクッ


「……はぁ………。だろうな。だと思ったんだよ。まさか瞬が１ヶ月そこらでキスできるとは思えねぇし…」

「え！？！？！？だって亜蓮、１ヶ月でキスしてるのは当たり前って…」

「普通の奴らは、な。瞬にそんな甲斐性ないだろ？」

「うっ…………」


亜蓮が小さく溜息をつく。


「……仕方ねぇ、一肌脱いでやっか」



***



『観覧車の頂上でキスすると永遠に一緒にいられるというジンクス…？』

『ああ、そうだ。女はそういうの、好きだろ？』

『な、なるほど……！！』


俺は亜蓮に言われた通り、遊園地のチケットを握りしめてAに話しかけに行った。

というか、自分からデートに誘うなんてことしたことないから普通に緊張する…！！！


「…え？遊園地？」

「あ、ああ！ぐうーぜん、亜蓮に余ったものを2枚貰ってな！だから…その、……俺、と……」

「…うん！行きたい！」

「！そうか、良かった…」


すごい嬉しそうな顔…。遊園地が好きだったのか？


(海藤くんにデートに誘ってもらえるなんて…嬉しい)


(見事に食い違ってるな)



*

キスをした日8 -遊園地-(海藤)→←キスをした日6 -秘密基地-(夢主)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す