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新人の子達の挨拶が終わると
先程私がおさるさんと言ってしまった彼に話しかけられた。
岸「せ、先輩。酷いです……」
『ご、ごめんね?私もあそこまでウケると思ってなくて、』
彼にとっては第一印象が決まる大事な挨拶
傷付けちゃったかなと申し訳なく思って
再度、ごめんね?と真面目に謝った。
そんな私の誠意は彼によって消された。
岸「でも俺、友達からよくサルって言われるんスよ!!!」
『……………は?』
珍しく真面目に謝ったつもりなのに
彼はのほほんとしてて結構心配してた自分が馬鹿らしくなった。
岸「それでその場がウケたんなら俺は大満足っス!!!!!」
さっきの恥ずかしそうな姿は何だったのか。
彼は目尻を細め、くしゃっと笑った。
岸「先輩!!これからご指導よろしくお願いします!!!」
頭の中で先輩、先輩、先輩……と岸くんの声がループする。
……いい響きだなぁ。
.
「じゃあ、教育係は……」
そう課長の声が聞こえたので、私はやらないと言うようにサッと静かに自分のデスクへ戻る。
.
岸「俺、あっあの人がいいです!!!!!」
岸くんの声が聞こえて振り向くと、
何故か彼の指先と目が合った。
『え、』
あれ、岸くん?
何で私を指さしてるの?
そんな可愛い顔してこっち見ても私はやらないからね?
以前、課長に怒られていた山田くんが持ってきたお土産の饅頭を食べようとしていたが思わず手が止まった。
「じゃあ岸の面倒はAが見てくれ。
磯辺の面倒は……永瀬。お前が見ろ」
廉「…はい」
チラッと廉を見ると、ただでさえ怖い目なのにさらに怖くなっている。
……こ、こわ。
廉からの鋭い視線に怯えていると
いつの間にか背後に岸くんが立っていた。
岸「先輩!!お願いします!!」
無意識なのか、狙ってあぁ言ったのか分からないが。
岸くんの教育係なら別にいいかも…なんて、
『あはは、頑張ろうね……』
.
磯「永瀬さんっ、よろしくお願いしますっ」
廉「……おう」
磯辺さんの声が聞こえて廉の方を見れば少し戸惑っている廉の姿が見えた。
あら、手とか握られちゃって……
あっ、腕絡められちゃって……
うわっ、ボインボインだ……
そのまま磯辺さんに連れられて2人はどこかに行ってしまった。
廉が去り際にこちらを見てたけど、
あえて知らないフリをした。
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はる - とても面白くて一気読みしていました!続きが気になるので、宜しければパスワードを教えて頂きたいです。よろしくお願いいたします! (2021年6月24日 1時) (レス) id: 8cb2e2585a (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 『殻を知らない蛇は』を読んで、とても面白いなと思ったのでこちらの作品も読ませていただきました!続きが気になるのでパスワードを教えていただきたいです。よろしくお願いします! (2021年6月22日 21時) (レス) id: 22c18f65d8 (このIDを非表示/違反報告)
sweetlarme(プロフ) - Rieさんのお話どんどん続きが気になって一気読みしちゃいます。続きが読みたいので、良ければパスワードを教えていただきたいです。よろしくお願いします。 (2021年6月3日 23時) (レス) id: cc4072ce2b (このIDを非表示/違反報告)
かに(プロフ) - パスワード教えていただきたいです! (2021年6月2日 19時) (レス) id: 0501681899 (このIDを非表示/違反報告)
An(プロフ) - Rieさんの世界感とっても好きです。宜しければパスワード教えて頂きたいです。続きがとても気になってます、、 (2021年6月2日 18時) (レス) id: 9f0db7920c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Rie | 作成日時:2020年1月17日 0時