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あれから暫く経ち、酔いも覚めてきた。
あの後、廉に自宅まで送ってもらって部屋の中に入るとしっかり施錠する。
…おそるおそるポストを見るけど
幸い、例の物は入っていなかった。
バックとスーツを床に投げ捨ると、フラフラした足取りでなんとかお風呂へ向かった。
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体はスッキリしたけど、頭にはモヤモヤが残ったままだ。
充電しようとスマホを手に取れば、
いつかに送ったメッセージの返信が来ていた。
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ーー私も分からないんだよね
ーーでも、今相当荒れてるらしいよ
ーーA、翔太によく絡まれてたから心配
ーーもし何かあるなら相談して
友人の心ある返信に嬉しくなる。
『分かった、ありがとう』とメッセージを送った。
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遊んでいるとか、荒れていたとか皆は言うけど
当時、私に接していた時の彼はそんな面影は無くて、
……むしろ、優し過ぎるくらい。
いつから狂い始めたのだろう、
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…確か、出会いは私が大学生活が2年目だった頃。
人と接するのが苦手だった私は一人で授業を聞く日々を送っていた。
ある日、
本当に、突然だった。
翔「……隣、いい?」
『あ、うん…』
ありがとうと言って、彼は隣の席に腰を下ろした。
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翔「いつも、一人なの?」
『…そうだけど』
翔「寂しくない?」
いきなり隣に来て話しかけて来たと思ったら、とんでもなく失礼なことを平然と聞いてくる。
少しムカついて別に、とぶっきらぼうに返した。
私が不機嫌なことを察したのか、その日は私の言葉を最後に喋りかけてくることは無かった。
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その日以来、彼は私の隣によく来るようになった。
最初は彼が一方的に話す日々が続いて、
次第に、私も彼の話に言葉を返すようになった。
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そんな日々が1ヶ月も続いた。
ある日、人気のない場所に呼ばれて何かと思えば、
翔「…初めて見た時から、好きだった」
『っ、』
翔「良ければ、付き合って欲しい」
別に好きって訳でもないけど、嫌いって訳でもなくて、
私の大学生活を変えてくれるきっかけになればいいやと軽い気持ちで彼と付き合うことにした。
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付き合ってから、数ヶ月
翔太のおかげもあってか、友達が沢山出来た。
初めて大学での生活が楽しいと思えた。
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はる - とても面白くて一気読みしていました!続きが気になるので、宜しければパスワードを教えて頂きたいです。よろしくお願いいたします! (2021年6月24日 1時) (レス) id: 8cb2e2585a (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 『殻を知らない蛇は』を読んで、とても面白いなと思ったのでこちらの作品も読ませていただきました!続きが気になるのでパスワードを教えていただきたいです。よろしくお願いします! (2021年6月22日 21時) (レス) id: 22c18f65d8 (このIDを非表示/違反報告)
sweetlarme(プロフ) - Rieさんのお話どんどん続きが気になって一気読みしちゃいます。続きが読みたいので、良ければパスワードを教えていただきたいです。よろしくお願いします。 (2021年6月3日 23時) (レス) id: cc4072ce2b (このIDを非表示/違反報告)
かに(プロフ) - パスワード教えていただきたいです! (2021年6月2日 19時) (レス) id: 0501681899 (このIDを非表示/違反報告)
An(プロフ) - Rieさんの世界感とっても好きです。宜しければパスワード教えて頂きたいです。続きがとても気になってます、、 (2021年6月2日 18時) (レス) id: 9f0db7920c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Rie | 作成日時:2020年1月17日 0時