第4話 寝覚め ページ5
消毒液と薬膳のような…漢方?の匂いがする。
ここはどこか。
確か…崖から落ちたような…。
なるほど体中が痛い。
何処かに運ばれたのか?と思い目を開けてみると和風建築の梁が見えた。
となると、ここは病院ではなさそうだ。
まあ漢方臭い病院があってたまるか、とは思うが。
「目を覚ましたみたいです!」
誰かの声が聞こえる。奇跡的に助けられたか、はたまた死後の世界か。
白い忍者服のような服装をした人が覗き込んで声をかけてくる。
「目が覚めたんですね。」
「…あの、ここは?」
「ここは忍術学園。忍者のたまご達が通う学園です。お名前を聞いても良いですか?」
「…藤原Aです。」
忍術学園。何かの冗談か?それとも私の聞き間違いか?
「Aくん、ですね。私は忍術学園の校医の新野です。」
聞き間違いでは無いようだ。このご時世、忍者なんて…。
いや、まあなんもない田舎の山奥だから向こうの向こうの山のまた向こうには忍者の集落があった、とかいう噂は聞いたことがあるが、忍術学園って…。
というか「くん」?男に間違われているのか?それならそれ別に良いけど。
「Aくん、君は忍術学園の裏裏山へ倒れていたところを僕たちが学園まで運んできたんだ。
何故倒れていたのかを教えてもらっても良いかな?」
最初の声の人に聞かれる。ふわふわとした猫っ毛を後ろで1つに束ねた青年だ。
珍しい髪型だ。
新野先生?の服装といい、彼の髪型といい、ここが忍術学園だというのも案外本当かもしれない。
「山の上の祠の掃除をしていたら、足を滑らせてしまい、そのまま転がり落ちて為す術なく崖まで一直線です。」
「ええ!裏裏山の上に祠なんてあるんだ。」
「…裏裏山?」
「ああ、君が倒れていた山は、忍術学園の裏裏山なんだ。
その様子だと、知らなかったようだね。」
「はい。なんなら、忍術学園なんて聞いたこともありません。」
「そうか…。ありがとう。
あ、そうだ。お腹が空いたろう。今、新野先生が食堂へお粥をを取りに行ってくれているよ。」
「ありがとうございます。」
いつの間にか新野先生はいなくなって、お粥を取りに行ってくれているらしい。一体この人たちは何なのだろうか。
見ず知らずの人間を助けてくれることからして、いい人なのだろうが、何かが一致していないような…。
それにしてもお粥か。
そんなものを食べるのはいつぶりだろう。
言われてみれば確かに胃の中が空っぽな気がする。
お空いたな。
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悠楓(プロフ) - 時雨餅さん» そうですね 夏休み終わっちゃいますもんね... 大変な時は無理せずに時雨餅さんのペースで更新していってください!お話の続き楽しみに待っているので! (2018年9月2日 12時) (レス) id: 9134919a04 (このIDを非表示/違反報告)
時雨餅(プロフ) - 悠楓さん» コメント本当にありがとうございます!!そうなんですよ!もうすぐ続編なんです!夏休みが終わってしまったのでもしかしたら更新のペースが落ちてしまうかもしれないのですが、できる限り更新していきますのでよろしくお願いします。 (2018年9月2日 7時) (レス) id: 1ee2284998 (このIDを非表示/違反報告)
悠楓(プロフ) - 2度目のコメント失礼します!話数的にもう少しで続編ですね...!相変わらず1日1回は更新して下さっているのでありがたいです!更新頑張ってください! (2018年9月2日 2時) (レス) id: 9134919a04 (このIDを非表示/違反報告)
時雨餅(プロフ) - 悠楓さん» コメントありがとうございます!本当に嬉しいです!毎日更新を目標に頑張っていきますので今後ともよろしくお願いします!! (2018年8月14日 22時) (レス) id: 1ee2284998 (このIDを非表示/違反報告)
悠楓(プロフ) - コメント失礼します。いつもこの作品を見させて頂いているのですが、面白いので更新が楽しみで仕方ありません!これからも更新頑張ってください!(*´ω`*) (2018年8月14日 21時) (レス) id: 9134919a04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時雨餅 | 作成日時:2018年7月5日 19時