【忍たま】トリップしたら室町少年になってました。

第35話　迷子 ページ36

忍術学園への転入が決まってから1週間、僕は今忍術学園内を走り回っている。

数日前に捻挫が治り、歩いても良いというお達しが新野先生から出た。(腕はまだ治っていないので三角巾で吊ってはいるが。)

だから忍術学園を少しずつ散歩していたのだけれど……

どうしてこうなった。

「この学園……広すぎる……」

昨日までは乱太郎くんとそのお友達のきり丸、しんべヱに案内してもらって学園内を歩いていた。
しかし今日は3人が学園長先生のおつかいで外出中らしく、善法寺さんが案内を買って出てくれた。
ちなみに地図等は無いらしい。
確かに流出とかしたら大変だからな。

善法寺さんと歩きはじめて数分、気づいたら善法寺さんが消えていた。

え？もしかしてはぐれた？

確かにちょっとぼーっとしてたけど、そんなすぐはぐれるなんてある？

とりあえず保健室まで戻ろうと来た道を引き返すが、流石忍術学園。そう簡単にはいかない。
学園全体がまるで城下町のように、複雑な構造となっているのだ。

それに加えて広大な敷地。
保健室に向かっていると思ったのだが全然違うところへ来てしまった。

元来、不安になると動き回ってしまう質のせいで、迷子になると走り回って周囲を困らせた。
その性質は今も変わらず、とりあえず学園内をひたすら走り回っている。
迷子になったらその場でじっとしているのが最良の判断だとは頭ではわかっているんだよ、だけど体が勝手に動いてしまうから仕方がないじゃないか、とか誰に言うでもなく言い訳を考えてみる。

「ギャッ」

いきなり地面が消えた。

ドサッ

どうやら穴に落ちたらしい。
しかし地面に穴なんて空いてなかったはず……。

「落とし穴？」

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