【忍たま】トリップしたら室町少年になってました。

第29話　所詮 ページ30

その頃忍術学園保健室にて

………………

「さんご」

「ごへいもち」

「ちご」

「ねえ、伏木蔵くん」

「なんですか？」

「なんでそんな「ご」ばっかり…」

「だめですか？」

「いや、駄目じゃないけど…。」

先程から伏木蔵くんはごで終わる言葉ばかり出してくるのだ。

「Aさん、続きやりましょうよー」

「うーん……
　ごさ」

「さいご」

「えぇ…また「ご」…うーん……」


ガラッ


「ん？」

「あ、土井せんせー。と、しょせんさん。どうしたんですかー？」

部屋に入ってきたのは割と背の高いカッコいい男性と、その人に担がれてのびている人だった。

「あれ？善法寺は？」

「伊作先輩なら粉もんさんと話してますよー」

「そうか。ならしばらくここで待ってもいいか？」

「いいですよー」

土井先生は私の隣に腰をおろした。

「君は裏裏山に倒れてたっていう」

「あ、はい。藤原Aです。」

「私は忍術学園の教師の土井半助だ。よろしく。」

「よろしくお願いします。」

教師ってことは土井先生か。
聞いたことある気がする。
そういえば誰かが初恋泥棒って呼んでたな。

「ん……」

あ、のびてた人が唸った。

「あ、わたしは……」

「そのうち善法寺とお前の保護者が戻ってくるはずだからここで待ってよう。」

「また土井半助に負けたのか……」

なにやらこの人は土井先生に負けたらしい。

「しょせんさん、またですかー？」

伏木蔵くん、「また」って…。

「『しょせん』ではない、諸泉だ！諸泉尊奈門！」

しょせんそんなもん？面白い名前だな。

「あの、しょせんそんなもんさんはここの学園の人で？」

「だーかーら！しょせんではなく諸泉だ！」

「あ、それは失礼しました。諸泉さんですね。」

「そうだ。」

「で、諸泉さんは何者なんですか？」

「お前に答える義理は無い。」

あ、名前間違えたらへそ曲げちゃった。

まあ、そんな重要人物でもなさそうだし良いんだけど。

というか土井先生の言ってた保護者は多分雑渡さんのことだろうし…

「タソガレドキ城の方ですか？」

「な、」

「お、Aくん、大正解。」

声のする方を見ると、いつの間にか雑渡さんが戻ってきていた。

「それでは、私たちはこれで。」

雑渡さんは諸泉さんをつれて素早く去っていった。

気配無く忍び寄る雑渡さんといい雑渡さんについて人間離れした速さで去っていった諸泉さんといい、忍者に関していちいち驚いてたら身が持たないわー。

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