【忍たま】トリップしたら室町少年になってました。

第22話　粉もん ページ23

大体こういうときの嫌な予感というのはよく当たるもので、まあ、やっぱりというか案の定というか、小さな男の子を肩車した雑渡さんが入ってきた。
あの子が伏木蔵くんかな？

「あ、雑渡さん。」

「ああ、伊作くん、少し話があるんだが少しいいかい？」

「そうすると保健室に誰もいなくなってしまいますけど。」

「伏木蔵くんを置いていくよ。」

「すごいスリルー」

伏木蔵くんはそう言って体をくねらせる。

え、何この子。
すごく可愛い。
すごいスリルってよくわかんないけど。

「あ、じゃあ。伏木蔵、よろしくね。」

「はーい、善法寺伊作せんぱい」

雑渡さんの肩から降りてテクテクとやって来る。
めっちゃ可愛い。(2回目)
ショタコン属性では無いはずなんだかな。

善法寺さんと雑渡さんが部屋から出ていき、僕と伏木蔵くんが残される。

「伏木蔵くん？だよね。」

「はい。1年ろ組、鶴町伏木蔵です。」

「あの雑渡さん、って人怖くないの？」

「その前にあなたの名前を聞いてもいいですか？」

「あ、ごめん、名乗るのが遅れたね。
　僕は藤原Aです。
　よろしく、伏木蔵くん。」

「Aさんですねー
よろしくおねがいします。」

「あの、それで雑渡さんって…？」

「粉もんさんはいい人ですよー」

「粉もん？」

「雑渡粉もんさんですー」

「え？粉もんさんっていうの？」

「はいー」

ガラッ

うわっなんか戻ってきた

「伏木蔵くん、粉もんじゃなくて昆奈門だから、雑渡昆奈門。
さっきも間違えてたけど。」
「はーい、粉もんさーん」

ズコーッ

お、雑渡さんがきれいにずっこけた。

「ごめん、伊作くん置いてきてるんだ。
じゃあね。」

と思ったらすぐ行っちゃったよ。
何だったんだあの人。

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