クローン【新・信長公記】

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いくら兄弟でも、男と女。




話されへんことやってあるかもしれんから。


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-Aside-



放課後…



み「きてくださってありがとうございます。」


「いえいえ、大丈夫です。」



絶対おにいに恋したとかだったら受け付けへんから！

み「その…」


「みやびさんって、
　日本史好きでしょ。」



み「な、なぜそれを？」


「だって「平和を愛した義の武将！上杉謙信！」とか、
　「独眼竜伊達政宗！」とか言ってたし。
　今の時代、明治以前の歴史の授業は廃止されてるから、
　知ってる人少ないし。
　って言ってる私も日本史ヲタクなんだけどね。」


み「そうでございましたか。」

「みんながクローンなのも、
　知ってるでしょ。」


み「なぜそれを…！」




「私、実は養子なんだよね。
　だからお兄ちゃんとも血の繋がりがない。
　本人はそれを知らないけど。」

み「ではみなさんがクローンなのをしった上で仲良く？」


「うん。もしかしたら、っていうか確信的に、
　私は一年遅れて作られた武将のクローンだと思うんだよね。」



み「え？！」


「妻木煕子だと思うの。」




み「あの妻木煕子？！」


「博士が私のDNAを採取することが
　とても難しくて時間がかかったんだと思う。」



み「そうでございますか…」



「だから明智くんとも、
　運命のようなもので結ばれてるんだよ。きっと。」



み「たしかに明智光秀の正室だと言われております。」



「やっぱみやびさんは私と同じ日本史ヲタクだ。」



み「そうでございますね、」

「みんな、変わらないんだ、きっと。
　戦国武将の血は一緒。
　同じ運命を辿る結末…」

み「なにが原因でそう思っているのかはわかりませんが、
　 人は変わります。絶対に。」

「“絶対は絶対にない”んだよ、みやびさん。」


そう言って、
私はその場を去った。

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