【悲報】烏野バレー部に紳士なんて存在しない。

嫌味野郎と山崎様２ ページ5

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「お二人さん、部活はもう決めたのかい」








ちなみに私は帰宅部一択である。

中学時代は女子バレー部に入っていたが(WS)、着地時に相手選手の足を踏んでしまい、わりと重い捻挫。
骨に異常はなかったものの、時期が時期であった。まだ当分は復帰できそうもない。


まぁ元々運動は得意では無かったし、飽き症なので、どちらにせよバレーは入らないと決めていたのだが。







「僕らはバレー部だケド」


「あれまぁ」







なんたる偶然。

バレーというスポーツは、そんなにも私に関わっていたいのだろうか。
この二人が同じ部活だというのはなんとなく予想がついたけれども、それがまさかバレーとは。







「ななさんは何部に入るの？」


「う〜ん……決めてないけど、中学の時に足痛めたので運動部は入れないのでございます」


「ええっ！ そんなに重症なの！？」


「はい、まぁ。普通に歩いたりはできるけど。
体育も一部は休むことになるですかな〜。」









あの神対応をされてからというもの、山口様の言葉は神の仰せに聞こえる。

…いや少しばかり大袈裟かもしれないけれども。
だって本来なら、例えば“花子ちゃん”って子がいたとして、初対面で『君のこと花ちゃんって呼んでいいかな？』って言われた程度のことだもの。私が異例なだけだもの。ななしって。

だが、そんな本来ならささやかであろう彼の気遣いも、私にとっちゃいい意味で異例である。


私の怪我をそんなに心配してくださるなんて……七詩は光栄にございます。








「月島はどんな曲を聞いているのだい」







なんか空気と化してると思ったら、ヘッドフォンをして音楽を聴いていた。

月島が聴く曲ってなんだ。予想がつかん。
この見た目と性格で、聴いてんのがアイドル系とかだったら笑える。笑う。でもブルースとかロックとかも似合うと言われたら微妙な気が…







「……別に何も聴いてないし。
君達がうるさいから耳を塞いでようと思って」








とことん嫌味な奴である。

そこは何か聴けよ。なんのためのヘッドフォンだ。ファッションなんか？ あ”？

ただ耳を塞ぎたいなら、濡らしたティッシュを詰めておく方がいいだろう。




いや、わざわざ水道までティッシュ濡らしに行く金髪メガネもどうかと思うけど。笑







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