芝ちゃん ページ12
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「もう嫌だ。チーズ蒸しパンになりたい」
枕に顔を擦りつけて、そんな自分でもわけわかめなことを言ってみるが、正直チーズ蒸しパンになるのも悪くないような気がしてきた。
……だって『チーズ蒸しパン』という名前ができるじゃん。七詩＝名無しじゃなくなるじゃん。
決めた。私今日から“小津 チーズ蒸しパン”って名乗ろう…。
「七詩ーー！電話ーー！！」
「七詩じゃないチーズ蒸しパンだ！」
「はあ！？」
もうヤケクソ、という感じでそう叫び、ずかずかと声のした方向に歩いていく。
そう、私はチーズ蒸しパン。
……あ、きんかん蒸しパンって知ってる？私大好きだよあれ。超おいしいよね。簡単に作れるしね。
「……もしもし」
強引に母から受話器をふんだくり、不機嫌MAXでそう言うと、受話器越しに聞こえたのはそんな私と正反対のご機嫌そうな声だった。
『…あ、もしもし、七詩？久しぶり！』
「…そッ……その声はまさか芝ちゃん！？
だが私は七詩じゃないチーズ蒸しパンだ！！」
「え！？」
私は小さい時から父の仕事の都合上、北海道内をあちこち移動する転校三昧の日々を送っていた。
先程のきんかんの話とこの会話で察した人もいるかもしれないが、彼……芝山優生とは、初めて県外(東京)に引っ越した時、小学２年〜５年までクラスが同じだった少年である。
東京に引っ越してから、またすぐに宮城に行くことになり、一緒にいた時間は少なかったが、私は彼がぶっちゃけ大好きである。
彼のおかげで先程の不快感は月島のもとへ飛んでいってくれた気がする…！！
『なかなか電話してくれないしさ、今日入学式だったし近況報告、みたいな』
「ごめん！君の存在すら忘れててごめん！！」
「言ったほうがいい真実と言わないほうがいい真実ってあると思うよ七詩」
チーズ蒸しパンだって言ってるのに…。
中学から宮城に来た我々小津一家は、母が父のあまりの転勤の多さに痺れを切らし、父がまた転勤で今度は千葉に行くと知ると、私と二人で宮城に残ると言い出した。
私も賛成した。転校はなにかと面倒だし、父に会えなくて寂しいこと以外はなんの不自由もなかった。
あの時母が残ると言わなかったら、私は今ごろ沖縄にいたかも知れない。
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山田太郎 - 赤葦とか岩ちゃんとか研磨とか月島は嫁((さん» ありがとうございます。山口は一番好きなキャラなので、ひいきしない程度にちょいちょい出せればいいなぁと思っております！ (2017年6月14日 14時) (
レス) id: 55ca26f0a1 (このIDを非表示/違反報告)
赤葦とか岩ちゃんとか研磨とか月島は嫁(( - ウオあああああああ((ゴメンナサイ 面白いです!更新ガンバって-_-b 山口さん、君はやっぱり天使だね。 (2017年2月20日 20時) (レス) id: b0ee4884b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山田太郎 | 作成日時：2017年1月4日 2時
