仙道彰＊本命 ページ13
「Aは〜、仙道君にあげるんでしょ〜？」
『バッ…！』
慌てて海の口を手で塞いで辺りを見回す。
幸い、教室内の騒音で誰も今の会話は
聞いてないようだった。
「あは、ごめんごめん」
『もう！…あげるかどうかは、まだ
決まってない』
「え？なんで？好きなんでしょ？」
『…多分、貰ってくれないと思う…』
「…あー…」
Aと海は口をつむんで、
去年の2月14日を思い返していた。
仙道の両手は紙袋で塞がっており
溢れんばかりの大量のチョコレート。
そして部活終わり、Aは仙道に声をかけた。
『…あのさ仙道…！』
仙「あ、ちょうどよかった。これ、運ぶの
手伝ってくんない？」
『へ？』
お願い、とニコッと笑った仙道につられて
Aも首を縦に振った。
〜
ドサッ
仙「サンキュな」
『ううん、それにしても仙道がここまで
人気あるとは思わなかった」
同学年に限らず、上級生からの贈り物も
ちらほら見えている。
『ホワイトデーが大変だね』
仙「うーん、その頃には忘れてるかもな。
ちょっとまってて」
そう言って仙道は一旦紙袋を冷蔵庫に
押し込んで、また玄関に戻ってきた。
仙「家まで送る」
『え、だ、大丈夫！だよ』
仙「いいから」
ほら、とAの背中を押して外に出す
仙道。
Aは家までドギマギしながら仙道の隣を
歩いた。
そして
『送ってくれてありがと』
仙「おう、また明日」
『明日は休みだよ』
仙「あれ？じゃあ、また来週、か」
『また来週』
そう言って家の門に手をかける。
…しかし、振り返ってAは仙道の
名前を呼んだ。
『あのさ、仙道…！』
仙「ん？」
『…こ、れ、あげる』
Aが鞄から取り出したのは
丁寧にラッピングされた箱。
仙「…」
仙道は少し目を丸くさせてから、
しばらくジッとその箱を見つめた。
そして
仙「…これ、義理？本命？」
『…え？』
思わず仙道を見上げてAは瞳を左右に
揺らした。
『…これは、…』
少しの間を置いてAは言った。
『…義理に決まってるじゃん、ばか』
ヘラ、と笑みを浮かべたA。
すると仙道はAに背を向けた。
仙「悪いけど、貰えない」
『…え？』
仙「…早く家に入らないと、風邪ひくぞ？
じゃあな」
『え、ちょっ…』
ぽつん、と一人取り残されたA。
手の中には、仙道への本命チョコと
喪失感が残っていた。
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シルビア☆姉貴 - 牧さん、、、、格好良すぎる！！！！(^o^)v(*^^*)(^ω^) (2021年7月16日 11時) (
レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
梅(プロフ) - 面白すぎ！！！！めっちゃファンです！！スラムダンクハマりたてなので凄いときめく！応援してます！ (2021年3月29日 0時) (レス) id: 2912baf146 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモーン | 作成日時：2021年1月22日 15時
