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『んんっ、あぁ、からだが……あつ、』
「相変わらず効くのが早いね、A。……じゃあ、しよっか。」
あなたは、誰。 誰なの。
どうしてこんなこと、
よく見たら私の首、胸、腹 が紅く染まっているじゃないか。
この人の身体にも無数の引っかき傷が見受けられた。
ああ、血の正体はあなただったんだ。
そんな事に気が付いて、また果てた。
一方的な行為。
なのに、感じてしまう私は
本当にダメな子だ。
『愛してるよ。明日もいい子でいてね』
そういってその人は私の手に錠をかけて去っていった。
私の目は水すらも乾いて光を失っていた。
何時間も過ぎたはずなのにまだ朝のような明るい光が刺している。
……これも人工的なのか。
こんな所から早く抜け出したい。
あの人は誰？
消えかけの文字が今なら読めた。
『名前はなかむ……』
「……思い出したの？」
去っていったはずのその人はこちらを見下ろしていた。
「あーあ、また眠らせなきゃいけないなぁ」
なんて言いながら何かをとりだす
『っえ、』
薄れゆく意識の中、視界に映った"なかむ"は消え入りそうな笑顔でこちらを見ていたのだった。
「……今回は比較的従順だったのになぁ」
ﾊﾟﾀﾝ
真っ白な部屋の真っ白なベッドに人形の様に眠っている少女は今日もまた、
黒く深く侵されることを知らないまま目を覚ます。
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作者名：れもん | 作成日時：2018年10月31日 17時
