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episode.9 ページ44

翌日、朝が来て今日からまた新しい一週間が始まる。

と言っても同じような日々を毎日繰り返してるだけだけど。


『じゃあ行ってきまーす!』

いつもと同じ時間に家を出てしばらく歩くと見慣れた背中を見つけた。

『けーすけっ!』

そう言いながら私は彼の背中をポンッと叩いた。

「よっ、」

『おはよっ』

この辺りで圭介を見つけると学校まで一緒に登校する。
その間、話すことがあれば話すし無かったら無いで無言だ。
かといってお互い気まずいという感じではない。
慣れ、というかそれもいつしか当たり前になった感じかな。


「あれ、いつだっけ?」

『ん?なにが』

「大会。お前出んだろ?」

『あ〜!うん、出る…』

「え、なに、お前もしかして緊張してんの?今年こそは優勝すんだろ?」

『あーーもう、圭介までプレッシャーかけないでよね!ただでさえ櫂にもすごい言われるのに』

口を尖らせぶつぶつ言う私を見ながら圭介は笑った。
今の私の最大の目標は空手の大会で優勝する。
それを成し遂げられたら自分の中で何かが変わるかなっていう期待を抱いてたから。


『…来てくれるよね?応援しに』

「行くに決まってんだろ。大きな声で叫んでやる(笑)」

『ははっ(笑)圭介の声うるさいからなぁ、すぐ分かりそう(笑)』


圭介と話してると緊張も不安も吹き飛んでく。
そんな圭介に私は何回救われたことやら…

大会まであと二週間。
気合い入れて稽古頑張らなきゃ







その後、学校に到着した私達は各々の教室へと入り朝礼を始める。
それが終わると一時間目の授業。
そして五分休みを挟んですぐ二時間目の授業。
ここでいつものように万次郎が登校してくる。

万次郎もまた、自分の当たり前を今日も貫く。
席に座ると同時に机に伏せて給食の時間まで二度寝をし始めた。

担任の先生ももはや何も言わず何も無かったかのように授業を進める。

私は万次郎の姿を一目見るとすぐに視線を黒板に向けた。
そして、圭介との会話をふと思い出す。

『(今日は早めに道場に行って自主練しよ)』

そう思った私は授業を受けつつ、忘れぬようノートの端っこにトレーニングメニューを書き留めた。

▽→←▽



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@炭酸(プロフ) - ササミさん» ありがとうございます!! (2021年7月13日 2時) (レス) id: cb8d42f0e4 (このIDを非表示/違反報告)
ササミ - 好きです!!! (2021年7月11日 20時) (レス) id: e6ad737842 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:@炭酸 | 作成日時:2021年6月15日 14時

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