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それから圭介は他にも「オマエは誰かを思いやれる優しいモノを持ってんだからそれを将来に役立てれば?」と言ってくれた。
『例えばなんだろ…?』
「人を助ける仕事?」
『警察…?』
「警察かぁ〜…もっとこう…」
『お医者さん?』
「あ!!それいいじゃん!看護師とかさ!」
『看護師さんかぁ…』
「オマエ言ってたじゃん?櫂くんを守りたいって。その気持ち、誰かに向けてみるっつーのもアリなんじゃね?」
『なるほど…。圭介…今日ほんと良いこと言う…』
「だろ?!自分でもそう思う!」
『ははっ!…ホントありがと、圭介。櫂のこと守りたいっていう気持ちだけ先走って結局なんにも出来ずじまいで嫌だったから…』
「うん。まぁ櫂くんが強いことはオマエも知ってるだろーけど、…たった1人の兄貴だもんな、守りてえよな』
圭介が私の気持ちを察してそう言ってくれたから私は照れ臭そうに「うん」って返したんだ。
この日圭介に話してなかったらきっと今も1人で抱え混んでおかしくなっていたかもしれない今の自分はいなかったんだろうなって思うよ…
そのあと、「まぁAが看護師なら安心してケンカ出来るしな!ケガしたらよろしくなー!」って言うもんだから『オトナになってもケンカとかやめてよねー?!』って呆れながら言うと私達は笑い合った。
そんな時、隣の櫂の部屋から女の人の声が薄っすらと聞こえた。
圭介と不思議そうな顔で見合わせると櫂の部屋の前まで移動しドアを開けた。
「ん?話し終わった?」
テレビに向けてた顔をこっちに向けて万次郎がこう言った。
特に変化もなくいつも通りの表情で、むしろドアを開けて驚いたのは圭介の方だった。
『…ねぇ、何観てんの?』
「ん?これ?暇つぶしに観てた」
淡々とそう言いながら万次郎が観てたモノは俗に言う"オトナのビデオ"だったんだけど、停止する素振りもなく圭介だけが目を見開いて感動?興奮?なんか色んな意味の表情をしてた。
(櫂のヤツめ、今だにこんなの持ってるのか)
『ってか止めてよ!どこにあったのこんなの!』
「ん。ベッドの下にあった。なーんかイマイチだったなー…」
万次郎の反応を見る限りきっと真兄も観てるんだろうなぁ…って思えた。
まぁ私もこーゆービデオが櫂の部屋に転がってるのを小さい頃から見てるからか、そんな動揺しない自分もどうかと思ったけど…
『ハァ……』
お兄ちゃんがいる子はみんなこんな感じなのかなぁ。
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@炭酸(プロフ) - ササミさん» ありがとうございます!! (2021年7月13日 2時) (レス) id: cb8d42f0e4 (このIDを非表示/違反報告)
ササミ - 好きです!!! (2021年7月11日 20時) (レス) id: e6ad737842 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:@炭酸 | 作成日時:2021年6月15日 14時