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そのあと、お腹を満たした万次郎は下校時間までぐっすり眠ってた。
午後の授業は国語で、先生の音読が子守唄に聞こえてきて私もさすがにうとうとしてやばかった。
それから万次郎を避けるように掃除もやって、"さようなら"と最後の挨拶を済ませて後はずーっと眠ってるこの人を起こしたらやっと帰れる…!と思ったのに、なかなか起きてくれない。
いつもより強めに肩を揺らしながら名前を呼んでいると、「ヤバ!!まだ寝てんの?!」と圭介が教室に入ってきた。
どうやら隣のクラスも終わったらしい。
圭介にも手伝ってもらってやっっと起きた万次郎はのそのそと私達の後ろを歩いた。
「…どこ向かってんの?」
「ん?Aんち。ちょっと相談があるんだって」
「そ、だから万次郎は櫂の部屋で待ってて」
「ほ〜い…」
こうしてたわいもない話しをしながら歩いていたらゴロゴロと空が泣き始めた。
なんか嫌な予感…って思って2人に「ちょっと急ごうか、雨降りそう」と声をかけて歩く速度を上げた。
ふと振り返ると万次郎だけ置いてけぼり状態。
名前を呼んで急ぐよう促したけどほんっとマイペース。
案の定、ポツポツと大粒の雨が体に当たったかと思えばバケツをひっくり返したような土砂降りの雨が一気に降ってきた。
もう最悪って思いながら圭介の「走るぞ」の一言に私は家までの距離を走った。
「すごい雨…!あれ?次郎は?!」
先に着いた私達は玄関先で万次郎を待った。
こんな状況下でも自分のペースを乱さないなんてすごい人だよ全く…
結局、万次郎は遅れて到着したものの当然ずぶ濡れ状態。
「A、着替え貸して〜」とヘラヘラしてる万次郎に私は呆れつつタオルを渡した。
適当に櫂の服を漁って2人に渡すと私は脱衣所、万次郎と圭介は私の部屋で着替えた。
飲み物とお菓子を適当に手に取って「入るよ」と部屋に入ったら圭介がいかにも焦りだした。
そんな圭介を不思議に思いながら背中を向けている万次郎に視線を向けた。
何かを掲げて「なるほど…」と呟いている。
なんだろ?って思いながらそれを視界に入れてみると、手に持っていたのは…私の下着だった。
慌てて下着を奪ってヘンタイ!スケベ!バカ次郎!と叫ぶとイタズラな笑みを浮かべながら櫂の部屋へと逃げ去った。
「オレは一応止めたからな!?」って言いながら圭介はベッドの上に雑に座った。
私はハァ…と大きくため息をつくと勢いよく椅子に座った。
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@炭酸(プロフ) - ササミさん» ありがとうございます!! (2021年7月13日 2時) (レス) id: cb8d42f0e4 (このIDを非表示/違反報告)
ササミ - 好きです!!! (2021年7月11日 20時) (レス) id: e6ad737842 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:@炭酸 | 作成日時:2021年6月15日 14時