月恋 第101話 「寝坊騒動」 ページ7
「そう言えば今日は学校だったな。そろそろ準備して来い。遅刻したら大変だからな。他の皆はもう学校か?」
軽めの朝食として冷蔵庫の余り物でスープリゾットを作り、黒月さんには珈琲を淹れてからゆっくり朝食を取った後のこと。
腕時計を見てから放たれた黒月さんの問い掛けに、私は顔面蒼白。
すっかり忘れて休日気分で居たが、合同ライブがあった昨日は日曜日。そして今日は月曜日である。
文月さんと涙兄以外は学生。詰まり、今日は学校があるのだ。
「やばい!」
ガタリッと勢いよく席を立ち、私は急いで自室へと駆け込み、制服へと着替える。そしてそのまま自室を飛び出して皆さんの各部屋へ。
「皐月さん、皐月さん!」
自分の部屋のベッドで、気持ち良さそうに寝息を立てながら眠る皐月さんの体を思いっきり揺さぶる。
あの何時もしっかりしている皐月さんが、目覚ましを抱えながら無防備に眠っているのである。
あ、可愛い………って、違う!
何時もとちょっと違う皐月さんの姿に萌えてる場合じゃないだろ私!
早くメンバー的には一番すぐ起きてくれそうな皐月さんを起こして、他の皆さんも起こさないと遅刻してしまう。
「皐月さん、おーきーてー!!」
ライブで疲れきっている皐月さんを起こすのは大変忍びなかったが、起こさなければどうしようもない。
「んー………A、ちゃん?」
必死に彼を揺らすこと数秒、まだ瞼が重くてしっかり目を開けることは出来ていないが皐月さんが起きてくれた。
「皐月さん、学校が!」
起きたばかりでまだ寝惚けている皐月さん。私のその一言を耳にし、皐月さんの頭が一気に覚醒して目が見開かれた。
「そうだ、今日は平日だった! あ、Aちゃんおはよう。起こしてくれてありがとね!」
「お礼は大丈夫なので、早く準備しましょう! 私、卯月さん達起こしてきます!」
「あれ、始さんと春さんも起きてないの?!」
「そうなんです!」
「よほど疲れてたんだね、って、話してる場合じゃなかった。俺も着替えたら起こすの手伝いに行くよ!」
「はい、お願いします!」
先程まで気持ち良さそうに眠っていた皐月さんから、何時ものしっかりした爽やか王子様へと早変わり。
テキパキと私との会話を進めてから、自分の準備を始める。
私も、皐月さんが着替える前にそそくさと彼の部屋を退散して次に隣の部屋である卯月さんを起こしに行った。
月恋 第102話 「奥ゆかしき」→←月恋 第100話 「二次審査」
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櫻餅(プロフ) - 2次元大好き人間！！！さん» コメントありがとうございます。不定期更新ですが頑張ります。これからもこのお話を宜しくお願いします。 (2018年3月21日 12時) (
レス) id: eb7f0e71e0 (このIDを非表示/違反報告)
2次元大好き人間！！！ - 続編おめでとうございます！これからの夢主ちゃんの成長が楽しみですね！！！更新頑張ってください！応援してます！ (2018年3月21日 11時) (レス) id: 6896f5a2c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻餅 | 作成日時：2018年3月13日 2時
