月恋 第114話 「只今反省中」 ページ20
「どれが良いですか、新さん?」
「んー、これ」
新さんに芝居のアドバイスを求めた筈の私は、何故か二人でレンタルショップに来ていた。
「それは確か、少女漫画の実写化のやつですね? お好きなんですか?」
「いや、姉貴が観に行って面白かったって言ってたから」
「そりゃ、女性目線からしたら面白いでしょうね」
なぜ、ツキノ寮の自室からレンタルショップへ来たのか。
新さんに芝居をどうやってやっていたかを訪ねたところ「感覚だな!」と一言、ドヤ顔で返されたため参考にするどころか出来ず。
そして「俺、演技力あんまり無いぞ?」と言われてしまい、彼からアドバイスを貰うことを断念。
その後、「レンタルショップでドラマでも借りてきて、他の女優さん達の演技を参考にしてみるか。俺もちゃんと勉強しなきゃな」なんて、新さんの口から驚きの真面目発言が飛び出してきたのである。
意外にもまともな提案だったため、それを直ぐ様採用し、二人でレンタルショップに来たわけだ。
「新さんはどんな話が好きですか?」
ずらりと棚に並べられたDVD達を前に、二人で一通り眺めながらどれを観るか相談する。
「俺、こういうドラマとか映画観てると途中で寝ちゃうんだよな。で、葵とかに怒られる。感想が言い合えないって」
なんだか、その光景が意図も容易く想像できてしまう。
葵さんと新さんって、正反対なのに何故か仲が良いんだよね。幼馴染みだからかな?いや、幼馴染みだからとか関係無く、性格が真逆の人同士の方が案外上手く行くのかもしれない。
ちょっとした考察を立てながら、どれを観ようかDVDの背広を人差し指で順番ずつなぞって悩む。
「Aはどんなのが良いんだ?」
「特にこれと言って有りませんが、愛さんがヒロインのお姉さん役として出演されている此方の作品が観たいです」
私が手に取ったのは、愛さんが出演している恋愛ドラマ。
「お前ブレないな。てか、これお前の部屋にあっただろ」
「はい、此れで観るのは38回目になります」
「本当に愛ちゃん好きだな」
「勿論です!! むぐっ!」
「はいはい、一応アイドルだってバレないように変装してきてんだから大声出すなよー。お前の声、特徴的だからちょっとでも声出すと目立つぞ?」
力強く頷き返事をした瞬間、勢いよく新さんの右手によって口を塞がれた。
「すみません」
まだまだ知名度の低い私だけなら兎も角、新さんは人気アイドルユニットの一人。
配慮が足りなかったと反省した。
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櫻餅(プロフ) - 2次元大好き人間!!!さん» コメントありがとうございます。不定期更新ですが頑張ります。これからもこのお話を宜しくお願いします。 (2018年3月21日 12時) (レス) id: eb7f0e71e0 (このIDを非表示/違反報告)
2次元大好き人間!!! - 続編おめでとうございます!これからの夢主ちゃんの成長が楽しみですね!!!更新頑張ってください!応援してます! (2018年3月21日 11時) (レス) id: 6896f5a2c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:櫻餅 | 作成日時:2018年3月13日 2時