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月恋 第9話 「嫉妬の雨嵐」 ページ10

「合格者であるエントリーナンバー66番、面接室に来てください」

 自分の番号を呼ばれてハッとした。

 周りから嫉妬混じりの視線を一気に受け、ちょっとした優越感と恐怖を感じながら黒月さんの後を小走りに追う。

 私と黒月さんと入れ違いに月城さんが合格発表された部屋へと入って行き、私以外の皆さんに何やら堅苦しい挨拶をしてからその場を解散させた様だ。

 部屋からは重々しいオーラが放たれ、中から悔しがる声やすすり泣く声、それから「どうしてあの子なのだろうか」と言う不満や疑問の声が幾つも聞こえてきて、少し身を震わせた。

でも今の私はそんな声、ちっとも恐くなかった。これでやっと憧れの如月 愛さんに会えるチャンスが出来たから。

 もう、天にも昇れるような最高の気分だ。

「暦屋 Aさんだったな?」

「は、はい!!」

 黒月さんの耳に残りやすい声を聞き、だらしなくニヤける顔を直ぐ様元に戻す。

「そう緊張するな。俺はProcellarumのマネージャーをしている。因みに月城はグラビのマネージャーだ。これから色々とお前もお世話することになるから、よろしくな」

 厳しそうな雰囲気からは想像もつかないくらい優しい口調で言われ、肩に入り過ぎた力が一気に抜ける。

「これから合格理由と仕事内容の説明、注意事項の説明に住む場所の説明、それからグラビとプロセラメンバーの顔合わせがある。心の準備は良いか?」

「ば、ばばばばばっち来いです」

「それは絶対ばっち来いじゃねェな」

 まさか、昨日会った月城さんがグラビのマネージャーだったなんて予想外過ぎてもう何も言えないし考えられない。

月恋 第10話 「お茶を吹き出す」→←月恋 第8話 「見た目と中身のギャップ」



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櫻餅(プロフ) - snowさん» コメント有り難う御座います。少しでも共感して頂けて、大変嬉しく思います。これからツキウタ。メンバーと関わり、夢主がどんどん成長出来るお話にしていきたいと思っておりますので最後までこのお話にお付き合い願えたら嬉しいです。応援有り難う御座います! (2017年12月21日 19時) (レス) id: 5dfdc31c69 (このIDを非表示/違反報告)
snow(プロフ) - こんにちわ♪最新話読みました。ちょっと、自分のことみたいにホロリとしました。ヒロインちゃんが無事に乗り越えてくれると信じてます。目標が早く見つかること、祈ってます。頑張って下さい! (2017年12月20日 14時) (携帯から) (レス) id: bc61ae6263 (このIDを非表示/違反報告)
snow(プロフ) - 櫻餅さん» 待ってます。急激に寒くなりましたので、風邪など引かないように気を付けてください。 (2017年10月7日 1時) (携帯から) (レス) id: bc61ae6263 (このIDを非表示/違反報告)
櫻餅(プロフ) - snowさん» ありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです!不定期更新ですが、頑張ります。 (2017年10月7日 0時) (レス) id: aab212b765 (このIDを非表示/違反報告)
snow(プロフ) - 初めまして♪楽しく拝見させて頂きました。愛ちゃんへの愛が溢れていて、素敵でした。更新、楽しみにしてます。これからも頑張って下さい!! (2017年10月6日 9時) (携帯から) (レス) id: bc61ae6263 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:櫻餅 | 作成日時:2017年9月19日 0時

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