【ツキウタ。】 月に恋せよ暦ガール

月恋 第7話　「背筋が伸びる」 ページ8

長い行列を作った受け付けをやっとの事で済ませ、飛び入り参加の人が書かなければいけない書類を記入し待ち合い室で暫く待機。

　待っている間に此所でツキウタ。の説明をしてしまいましょうか。

ツキノ芸能プロダクションの最初に立ち上げられた企画、それが「ツキウタ。」

　12ヶ月をモチーフにした歌を、2つのアイドルグループが歌っていく企画である。

12月から5月までの歌を担当する男性6人で作られた「Six Gravity」と6月〜11月までの歌を担当する男性6人で作られた「Procellarum」。そして、その女性バージョンが「Fluna」と「Seleas」である。

　Seleasも好きで、何処と無くのんびりとした雰囲気が愛さんと似ている姫川 瑞希さん推しであるがやっぱり愛さんが1番好き。

　男性グループに興味が無い訳ではないが、どうしても愛さんの居るFlunaに目が行ってしまう所為か、女性グループよりちょっと印象が薄い。だがしかし、ツキウタ。愛と言うよりも愛さんへの愛は誰にも負けない自信がある。

　そんな意気込みを胸にしていると名前が呼ばれ、私は面接室へ。

　コンコンッと2回ノックをして、「どうぞ」と言う返事が来てから中に入る。そしてハッキリとよく通るよう、腹から失礼しますと声を出す。

　審査員の顔を見ていくと、其処には昨日出会った月城さんの姿が。

　私が驚くと同様、向こうも驚いている様で、何故?と言った顔で軽く首を傾げていた。

「暦屋 Aさんですね」

「は、はい!」

　目の前に座る、スーツが似合うキリリッとした男性に名前を呼ばれ背筋が自然と伸びる。彼の声が野太くとても男らしい所為か、此方の気が引き締まる。

「審査員の黒月 大です。よろしくお願いします」

「同じく審査員の月城 奏です」

他にも2,3人審査員の挨拶を聞き、私への質問タイムが始まった。

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