人間失格ノ戯レ 『4』 ページ4
太宰さんに生きていることがバレ、そのまま今迄何をしていたのか、どうして生きていることを自分に隠していたのか等々、根掘り葉掘り聞かれ異能特務課に所属し、人虎の監視を行っている事以外、凡て包み隠さず事実を伝えた。
太宰さんは最後まで私の話を黙って、静かに聞いていた。真剣な眼差しで此方を見られ、緊張してしまった。
若しも安吾さんと共に今は仕事をしているだなんて彼が知ったら、どんな反応をするのだろうか。そんな若しもの事を思い浮かべ、背筋を凍らせていると太宰さんが突然口を開いたのだ。
「ところでAちゃん。」
「はい!?」
自分の世界にのめり込み、思考を巡らせていたせいか、いきなり私の名を呼ぶ彼の自棄に真面目な声に驚き肩をびくりと揺らす。
一体全体何を云われるのやら、どんな質問が来ても上手く避ける自信は無い。相手は此の太宰さんである。幾ら上手い誤魔化しを述べたとしても、1発で見破られてしまう。
そう思うと此れからどんな事を云われるのか、気が気でなく落ち着かない。
きっと今の私は怪しいほど挙動不審だ。
「……………君、今年で19だよね。」
「は、はい。」
「じゃあ何故…………高校の制服着ているんだい？」
「は?」
其の質問に先刻迄ガッチガチに力の入った肩がスッと軽くなるのを感じた。
良かった、何年経っても太宰さんは太宰さんである。妙に真剣な顔つきで其れらしい雰囲気を作ったところで、結局は巫山戯ているのだ。
「あ、嗚呼、此れは変装です。ほら私、ポートマフィアでは死んだことになってますし。」
「ふーん、そうなのか…………。」
太宰さんがスッと目を細めた。此の理由に納得が行っていない様だ。
私は昔からずっと、此の目が苦手だ。
何かを見透かすような、隠し事をしても無駄だと云わんばかりの目。
此の目に捉えられれば、途端に恐怖しか生まれてこない。
「ま、童顔で幼児体型の君にはよく似合っているよ。」
「チッ、やっぱり扶けるンじゃなかった!」
一瞬にして何時ものヘラヘラした笑顔に戻り、私を弄くる太宰さん。
腹立たしいものの、此の笑顔が一番安心するのであった。
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櫻餅(プロフ) - まゆさん» コメント有難う御座います。現在更新停止中ですが、また更新できるように頑張りたいと思っております。 (2019年5月3日 9時) (
レス) id: c0a9d4f092 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 続編おめでとうございます^_^面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年5月3日 1時) (レス) id: 406c27ad01 (このIDを非表示/違反報告)
櫻餅(プロフ) - ラズさん» コメント有難う御座います。現在ネタ切れによる更新停止中で申し訳ありません。もう一度お話の流れを整えて、また更新できるように頑張っていきたいと思っておりますので暫くお待ちいただけると嬉しいです。 (2019年4月30日 21時) (レス) id: c0a9d4f092 (このIDを非表示/違反報告)
ラズ(プロフ) - 凄く面白いです！続き、続きを下さい!! (2019年4月30日 12時) (レス) id: 8609e55ade (このIDを非表示/違反報告)
櫻餅(プロフ) - アイカさん» 中々次の話への展開の仕方が思い付かず更新が停止している状態ですが、また書けるように頑張りたいと思っています。コメントありがとうございますm(__)m (2018年6月13日 22時) (レス) id: eb7f0e71e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻餅 | 作成日時：2017年8月21日 13時
