黒蜥蜴十人長ノ憂鬱 『14』 ページ14
「ッたく、樋口の姐さんも人使いが荒れェ。」
ズボンのポケットに手を突っ込み、背を丸めて横浜の街を歩く。
俺は所属する組織の上司にと或る遣いを頼まれ、街に出掛けていた。
気だるそうにダラダラと歩いていると、何処からか子供の泣き声が耳に入ってきた。
「ママァァァッ!」
目の下を真っ赤にして泣き喚く少女の姿。
道のど真ん中で泣きじゃくっていると云うのに、道行く人々は冷たいものである。彼女を腫れ物のようにして避け、その後何事も無かったように通り過ぎていく。
人間ってやつはこうも血の通っていないものだったかねェ。ま、俺も人を平気で殺すマフィアの一人。子供が泣いてても俺には関係無いね。
俺も周りの人々と同じ様に、見ないフリをしてその場を通り過ぎる。
「ままぁどこぉぉぉッ」
俺は何も見ていない。
「まぁぁまぁぁッ」
泣いてる子供なんて知らねェな。
「ふぇぇぇぇんッ!」
知らない知らない、見てない見てな…………
「だぁぁぁもうッ!」
俺は頭を両手で掻き毟り、前へと進めかけた足を停止させる。そしてくるりと方向転換をし、ママは何処だと泣き叫び、喚く小さな少女の元へと進み出た。
「おいチビ、お前名前は?」
子供のあやし方なんてわかる筈もないまま、少女と目線を会わすようにしてしゃがみこむ。
「うわぁぁぁぁぁんッ!」
子供は俺を見た途端、更に泣き出した。
何がいけなかったのか、顔か?顔が怖いのか?
他のマフィアの連中に較べ、己の顔は其処まで怖くはないと自負していたものの、真逆、子供に恐怖を与える程度には恐ろしいものだとは思っていたなかった。
喜んで善いのやら、悲しむべきなのか、複雑な物持ちで少女を泣き止ませる方法を考える。
気になって自分から関わりに行ってしまったものは致し方がない。
遣いは後でも問題ない筈だ。遅くなった言い訳は後で考えるとして、今は此の少女をどうにかしようと意気込んだ。
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櫻餅(プロフ) - まゆさん» コメント有難う御座います。現在更新停止中ですが、また更新できるように頑張りたいと思っております。 (2019年5月3日 9時) (
レス) id: c0a9d4f092 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 続編おめでとうございます^_^面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年5月3日 1時) (レス) id: 406c27ad01 (このIDを非表示/違反報告)
櫻餅(プロフ) - ラズさん» コメント有難う御座います。現在ネタ切れによる更新停止中で申し訳ありません。もう一度お話の流れを整えて、また更新できるように頑張っていきたいと思っておりますので暫くお待ちいただけると嬉しいです。 (2019年4月30日 21時) (レス) id: c0a9d4f092 (このIDを非表示/違反報告)
ラズ(プロフ) - 凄く面白いです！続き、続きを下さい!! (2019年4月30日 12時) (レス) id: 8609e55ade (このIDを非表示/違反報告)
櫻餅(プロフ) - アイカさん» 中々次の話への展開の仕方が思い付かず更新が停止している状態ですが、また書けるように頑張りたいと思っています。コメントありがとうございますm(__)m (2018年6月13日 22時) (レス) id: eb7f0e71e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻餅 | 作成日時：2017年8月21日 13時
