【w.r.w.r.d】甘々【短編集】

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・rb「な、泣かんといてや...。」
仕事が忙しかったためか暫くの間、彼と顔を合わせていなかった貴女は彼に会いに行こうと思い立ちます。廊下を歩いていると彼を見つけるものの何やらメイドさんと楽しそうに話している彼。普段ならなんとも思わないだろうがその光景を見た貴女はやり場のない気持ちを抱きます。立ち尽くす貴女に気づいた彼が「Aやん！」と近づいてくるも反応できずにいます。何か言わないと、と思う貴女ですがこんな嫉妬深い自分を知られたくないと再度口を閉ざせば変わりに涙が落ちます。状況が掴めない彼がおろおろし始め、ぎゅうっと抱きしめてくれます。頭の中が真っ白になった貴女が嗚咽混じりに貴方が私の事ちゃんと好きかどうか不安なの、と言えば彼は「好きに決まっとるやろ。｣と口付け親指で貴女の涙を拭います。調子が戻ってきた貴女がほんとに？、大好き？、と問えば「うぇっ？あ、.....だ、大好きや。」とあまりにも恥ずかしそうに答えるためくすりと笑みが零れました。

・em「 そ、それは.....嫉妬してくれてるんですか？」
彼が女性と話しているのを見かけた貴女。柔らかな表情で談笑している彼になんで自分以外にそんな表情を見せるんだ、と焼きもちを妬きます。丁度会話が終わったのであろう女性と入れ替わりで彼に声を掛けようとしますが、言葉が出てきません。不思議にそうな彼から「Aさん？どうしたんですか？」と話しかけられれば彼の袖口をそっと掴み俯きながらあんまり他の女性と仲良くしないで、と呟きます。暫くしても返答がないためちらり、と顔を上げれば彼は顔を赤くし口元に手を当てながらやっと口を開きます。何故か嬉しそうにしている彼の問いかけに頷けば「私はAさんのものですよ。」と愛おしそうに目を細められるため先程までの黒い気持ちはもうどうでもよくなってしまうでしょう。







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