【w.r.w.r.d】甘々【短編集】

→ ページ15

*
*



・sh「うわっ、びちゃびちゃやんけ！」
買い物の帰り、傘を忘れてしまった貴女は全身雨に濡れてしまった状態で城へと帰りました。その姿を真っ先に見つけた彼が目を瞬かせた後、何処かへ走っていきます。不思議に思うも直ぐに帰ってきては手にはタオルが握られていました。彼はそのまま貴女の髪をわしゃわしゃと乱雑に拭いてくれます。もうちょっと丁寧にしてや、と貴女が不満を漏らせば「なんやねん。せっかく拭いてやっとるのに。」と口を尖らせつつも優しい彼は要望に応えてくれます。髪から水が滴らない程度になれば出来た、とでも言うように笑顔を見せ「風邪引いたらあかんから、あったかくするんやで。」と貴女の荷物を持ち、自室まで送ってくれます。

・rb「おーい、こっちや、A！」
任務が終わった貴女は降り始めた雨に眉を下げます。どうしたものかと悩みつつ適当な場所で暫く雨宿りをしていれば、彼のよく通る声が聞こえます。ぱっ、と彼の方を見れば貴女の愛用の傘を持っており、態々持ってきてくれたの、と問います。「せや。」と頷く彼ににっこりと笑みを見せ、お礼を言えば照れたように少し目線を外されます。わざと視線に入ってみれば分かりやすく顔を赤らめ傘で顔を隠す彼。その様子に可愛い、と呟けば「可愛いのはAやん....。」と返されるため貴女も少しだけ頬を染めました。

・em「........Aさん？傘はお持ちでないんですか？」
急な雨に雨宿りをしていると馴染みのある背中かを見つけ、彼の名を呼びます。貴女に気づけば目をぱちくりとさせ近づきます。傘忘れてしまいました、と苦笑いを浮かべれば「なら、一緒に帰りませんか？」と所謂、相合傘を提案してきます。彼の言葉に甘え傘に入れてもらえば、貴女に気を遣い肩を濡らしていることに気が付きます。そんなに傘を此方寄りにしなくても大丈夫です、と伝えるも「いえいえ、大丈夫ですよ。」と逆に気遣われるため少しでも濡れないようにと彼にぐっと近づけば彼は耳まで真っ赤になりました。




*
*

→→←→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す