【w.r.w.r.d】甘々【短編集】

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・ut「あっ、Aちゃん。もう終わった？」
書記長から頼まれ事を終えた貴女は外に出ると雨が降っていることに気づきました。どうしたものかと空を見上げていると彼から声をかけられます。目をぱちくりとさせた貴女に彼は「傘持っていってへんと思うからってトントンに迎えに行くよう頼まれてん。」と煙草をふかせます。お礼を言おうとするもどう見ても彼一人分の傘しか見当たらず、どういう事だと目で訴えると「Aちゃんと相合傘しよ思うてな。」と煙草の火を消します。照れと呆れが混ざった表情で彼を見た後、歩き始めれば慌てたように彼が傘をさし、隣に来ます。

・kn「お前も傘持っとらんのか？」
朝から少し空模様は怪しかったが、まぁ大丈夫だろうと出掛ければやはり駄目だったみたいです。少し待っていれば雨足が弱まりこれくらいならと駆け足で帰っていると後ろから声が掛かります。見ると、びしょ濡れの彼が居て思わずふふっ、と笑ってしまいます。「何笑ってんねん。」と口をとがらせる彼にまだ笑いつつも謝れば不機嫌そうにしています。と、突然彼が「此処から城まで競走せぇへん？｣と返事もしていないのに走り始めます。「負けた方が飯、奢りな。」とにぃっ、と笑う彼に焦りつつ貴女は彼に追いつこうと駆け出しました。

・zm「あちゃぁ、降り始めてしもたなぁ。」
彼と2人での任務が終了後、城へと足を進めていれば途中で雨が降ってきました。彼が眉を下げながら呟けば貴女は雨宿りするか、と尋ねます。考える素振りを見せた後、「此処から城までならそんなに距離ないしなぁ。もうちょっと頑張れる？」と返してくる彼に大丈夫だ、と大きく頷きます。彼も微笑み返せば貴女に自分のパーカーを被せます。驚いてる貴女にんふふ、と特徴的な笑い声を漏らせば「よぉ似合っとるよ。」と耳元で囁いた後に真っ赤な顔の貴女の手を引きながら少し早歩きで帰りました。




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