【呪術廻戦】最強と妹 (ページ3)

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「Aさんってやっぱり強いの？」

　先生の妹だからさ。キラキラな目で見てくる虎杖くんに口元が緩んだ。うん強いよ、と答えるとキラキラさが増す。

「俺も五条先生やAさんみたいに強くなりたいな」
「虎杖くんなら出来るよ。だって悟センセの生徒なんだもの」
「Aさんは先生のことめっちゃ好きなんだな！」

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　今日の任務は廃病院で一級の呪いの祓い。そう言えば私の初めて一級呪いを祓いに来たのもこんな廃病院だった。ふとあの時を思い出す。

「それではよろしくお願いします」

　補助監督さんに送られ入り口に向かう。中で最初に私を迎えたのは尋常じゃない数の呪い。だと言っても低級呪い。数が多くても面倒なだけ。

「さて、本命はー」
「イタイノイヤ」

　噂をすれば巨大な呪霊が姿を現した。液体の様な形で顔のパーツはその上にバラバラに乗っけられてる。早く終わらせてお兄ちゃん達と晩御飯でも食べよう。

「さっさと終わらせるよ」

　手っ取り早く終わらせる為に呪具を振り回す。命中だったはずなのに呪霊はなんともない様子。大きな穴も直ぐ元通りに戻っていた。

　反転術式？それともそういう術式なのか？

　深く考察する暇もなく呪霊からの攻撃が入ってくる。でかい割には速い。伸びてくる触手を避けながら一旦距離を置こうとした、が。

「た、助けてください！」

　怯えている、中学生くらいの男の子が叫んだ。生憎、叫びを聞こえたのは私じゃ無かった。呪霊の触手はその子に向かう。

　『蒼』なら攻撃を塞げる、だがこの位置で使うとあの子も巻き込まれてしまう。

　じゃ方法は一つだけね。

　一旦彼奴の関心をこっちに向かせる為に呪具を頭にぶっ飛ばした。案の定、奴の目がまた私へと回り、触手がこっちへと伸ばされる。無下限で塞ぐが攻撃は段々と速さを増してく。

「っは…痛い、な」
「イタイイタイッッ」
「受けたのはこっちだっつーの」

　腹を貫通した触手がぬるりと離れていく。腹に空いてしまった穴から溢れ出す血を抑えながら一歩下がる。頭がぼーっとして来た。だが、ここで気を失ってしまったら私もこの子も死ぬだけ。

　人を絶対に助けるとかそんな正義感は持ち合わせていない。

　でも目の前の人、一人も助けられない奴が呪術師を名乗る資格はない。

「領域展開『来心無園』」