【twst】ツイステッドワンダーランドのマジカメ事情Ⅱ【オリキャラ】【番外編】 (ページ32)

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Aside.

曲が終わり、踊ったベリムスにお辞儀をする。
ベリムスも歯痒そうにしながらもお辞儀を返した。

『……ありがとうな。なんとなくコツがつかめた気がする。』
ベ「ど～いたしまして～。……でもなんか兄さん、悩んでる？」
『……そうかもな。』

そう言いながら俺はさっきまで座っていた椅子に座って庭園を見る。俺等のダンスも会話も知らんぷりとでも言うように薔薇は黙ったままだ。……まぁそれが一般論だが。

『皆俺の事を"天才"やら"頭がいい"とやらなんでも言うが……そいつらは何もしなくても出来るとでも思っているんだろ。』
ベ「……」
『実際は違う。その実力は努力を重ねた後の結果だ。だが結果しか見られずに他人はその言葉しか発しない。……ちゃんと評価しているように見えて本当はただ期待されて押しつぶされているだけ。』

生まれ持ってそのポテンシャル(潜在的能力)を持ち合わせているっていうチートもいるがな。といって笑う。
笑った後に俺の惨めさを思い知らされて苦しくなる。……それは毎度毎度思う事だ。

『"天才"やら"頭がいい"とやらを言うな、って事じゃない。ただ……変な期待や偏見を押し付けないでほしいと思うのは確かだ。』
ベ「そうだよね。例え今回点数がよかったり評価が良かったとしても次どうなるかはわからないし、かと言ってずっと悪いわけでもないんだから。」
『その期待が睨みをきかせた恨みに変わる時ってのは誰しも居心地悪くなるだろうな。』

勝手に期待されて勝手に裏切られた、といって離れていく。そして勝手に偏見で見られて流石だ、と言って褒めたたえる。

他人のコミュニケーションは単純だ。どれだけ尊敬していてもいつかはその思いを忘れ、またその哀れな犠牲者を作ってしまう。

『……俺は天才じゃない。何度もいってんのにな。』
ベ「兄さん……」
『そろそろ行く。流石に休憩しすぎた。』
ベ「うん。……気を付けて。」
『あぁ。』

＿＿人(他人)は単純だ。信じて裏切ってまた信じる。

……それは俺も同じだ。だけど裏切られるのが怖くてそのループを止めてしまう人間なのもまさしく俺だろう。

『……(信じろだなんてただの口約束に過ぎない……か。)』

俺はさっさと戻らねばと着物の裾を持って彼らの待つボールルームに急ぐのだった。

ベ「……あの、今お時間ありますでしょうか。」

べリムスが俺が去った後に何をしてたかなど露知らず＿＿