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弐拾捌滴 ページ32

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私達はあの後、マジカルホイールならぬバイクをあのイグニハイド寮の子に借りて海まで出てきた。そしてエペル君の話を聞いていた。てか初日でヴィル先輩に反抗とか凄いな!?←

そしてデュースはゆっくりと話し始める。


デ「さっき、学園を出てくる前にアジーム先輩とハント先輩に言われたことがある。今の僕たちにしかない"パワー"を大事にしろって。それで僕なりに考えてみたんだ。僕の強さについて。それは多分……"すげー馬鹿なところ"かもしれない。」
エペ「えぇ?でもそれって、デュースがさっき言ってた自分の嫌なところじゃねぇんか?」
デ「ああ。でも……≪余計なことを考えないで突っ走れる≫ってことでもある。」


そうか、頭のいい人は何をすればいいか考えて動くけど、デュースだったら何も考えずに突っ込むこと出来るもんね。時間が命とりってときもあるから。


デ「僕は同時にいろいろと考えられるほど、賢くない。でもだからこそ、覚悟を決めたらゴールまで真っすぐ突っ走っていける。これは、きっと僕だけが持つ"パワー"。僕の短所は僕の長所なんだ。」
エペ「でもさ……んなこと言われたって納得いかねぇよ。俺に置き換えるんなら、この見た目の事だろ?華奢だったり、女顔だったり、そんなのが強いって言われたって……」


その時、誰かのスマホが鳴る。それはエペル君のだったらしくてエペルがスマホを取り出して電話で話始める。

するといきなりエペル君が驚いたと思ったらマジカメを開きだした。そこにはヴィル先輩のマジカメが移っていて、新しく投稿された物に例のアレは写っていた。


デ「本当だ。シェーンハイト先輩のマジカメに林檎ジュースの写真がアップされてる!」
エペ「…ちょっと、母さ……!切れでまった。」


マジカメを見ていると予約した、とか注文したい、とか言うコメントで溢れかえる。流石は世界的スーパーモデル……!その時、エペル君は何か気づいたような声をだした。


エペ「これが、ヴィルサンの持つ"美しさ"のパワー!?」
デ「確かに……こんなスゲーことが出来るのは、シェーンハイト先輩が美しさを磨いてきたからだよな。魔法や腕っぷしが強いだけじゃ、絶対に出来ない。」
エペ「ヴィルさんが言いたかった強さってこういう事……なのかな?今の俺にしかない強さ……"愛らしさ"で戦ってみせろってこと?」


その言葉に私とデュースは頷いた。エペル君の強さは間違いなく"それ"だよ。
エペル君の成長に幸あれ……なんちゃって。

参拾滴→←弐拾漆滴


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作者名:聖夜の夜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=relatian  
作成日時:2022年5月15日 10時

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