【twst】 TIME OVER -第一節-Ⅱ【逆トリップ】【男夢主】 (ページ2)

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記憶インポッシブル！！📚 ページ2

6日目

ｰｰｰｰｰ

Aside.

静かな部屋でただ1人チェスの駒を動かす。
緊張を解すために何度も動かし続ける。

『くっ………はぁ……。』

俺はいつも通りの時間に窓を開ける。そこにはいつも見慣れた明るく笑顔溢れた街………

そんな面影は一切ないような燃えた街が映る。

＿＿またか。

ユウが来た頃から毎度毎度ここを開けると気持ち悪い位にこの国が滅亡する光景が見える。

怖い、痛い、苦しいと嘆き苦しむ人々を俺は何も出来ずにただ見下ろすだけ。

──何故俺だけを殺さない。何故他の人を苦しめる。

その声が俺の中を駆け巡る。全ては俺のせいで。
俺の1つだけの選択でこの国の運命が決まる。

俺は息を吐いて原稿用紙を手に取る。何度も試行錯誤した結果だ。街の人々に戦争は関係ない。だからこそ軍人が不幸な目に遭うなんてことは許されない。

『やらなくてはならないんだ。これは……俺のエゴでもあるが、俺の使命でもある。』

負ける負けない関係なくこれだけは果たさなくてはならないんだ。

ｰｰｰｰｰ

ベンside.

Aは俺達の隣にはいない。A自身が演説をすると国に伝えたからだろう。

国民の反応はこうだ。
今日はヴェラ国の国王の演説だ、国王陛下自らが出るだなんてどういうことだ、戦争でもするのだろうか……
そんな無責任なことばかりだ。

I「はぁ……Aもいきなりなんでこんなことを……」
U「……戦争が最近悪化してる。それの対処についてよ。」

リユの言葉に俺は嘘だろ、と返す。そんなの聞いていないし、俺は仲間外れにされたのだろうか。

U「私もA本人からは聞いてないわ。けど多分そうなることは誰もかしもが理解していたことよ。」
I「それはそうでも……なんかいってくれりゃあ手伝ったりするってのに……」
U「本当、なんで人を頼らずに自分で解決しようと思うのかしら。」

そう言うと俺達は何も言えなくなってしまう。Aが誰も頼らないことなんてトリップする前から知っている。

私、医務室に戻るわ。式典は出なさいよ。と言ってリユは部屋から出ていった。俺はどうすることも出来なくてその場に佇むだけだった。