過去の君へ【佐野玲於】 (ページ14)

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いじわるページ14

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あれから2週間

例の玲於くんの知り合いの紹介っていう日

普通に友達感覚で楽しめば良いからって言ってくれたけど、どこか不安ではあった

お店の手配は玲於くんがやってくれた

仕事から自転車で一旦帰って、髪とかメイクとか諸々直して只今西麻布で迷子…

Googleマップに頼りながらウロウロしてたら

『あの～、お姉さん…』

背後から誰かに話しかけられた、怖いよ後ろ向きたくないよ、どうしよう、誰かと電話してたら話して来ないかな…

そう思って咄嗟に

” 玲於くんに発信中 “

早く出てと言わんばかりの手つきでスマホの画面連打してる

『玲於くんはここにいるっつ～の』

「…はぃ？」

少しボソボソしてる聞き慣れた声、反射的に後ろを振り向いた

背後から話しかけてきた人は玲於くんだった

〔 Aからの着信〕

そう書かれた玲於くんの携帯のディスプレイをこっちに向けてニヤニヤしてきた

「もぉ…またお姉さんって少し声変えて話しかけてくるとねぇ…びっくりするの」

『その顔が見たかったの』

「玲於くんの意地悪なところはいつになっても変わんないなぁ～」

『うろついてるヤツいるな～って思ったら、案の定Aだったから、そこでわざわざタクシー降りてやったの』

「案の定って失礼な」

「あと、お姉さん～とか声かけて私じゃなかったら大変なことになるよ？(笑)」

『どう見てもAだったから、自信しかねえ」

『あ、店あっちだから』

「良かった～あんまりここら辺来ないから迷子になってた(笑)」

『見たら分かるし、さすがAだわ』

玲於くんと高校生ぶりに色々といじられたり他愛もない話したなぁ

そう言って玲於くんの5メートル後ろを歩く

〔もう学生時代みたいに並んで歩けねぇのか〕

こうやって、LINEがくるの。すぐ前歩いてるのに、なんだかイケナイ事してるみたいで楽しい

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