姉ちゃんの惚気なんざ聞きたくねえ!! ページ4
アレスside
…………あーイラつく…
何だよ姉ちゃんの奴……彼氏が出来たとかで浮つきやがって……クソッ……
……は?別にモテねえからイラついてるわけじゃねえし…俺だって女くらいすぐ侍らせるわ
…………別に俺の周りに俺自体を好いてくれる奴がいねぇとかじゃねえし。は?別にボッチじゃねえし。
………俺の姉ちゃんだけど、なんか……遠く行っちまった気がする。
……別に変な意味じゃねえよカス何勘違いしてんだ殴るぞ
「……はぁ…チッ………」
彼が蹴った机が凹み宙に舞う。
彼、もといアレスは朝からこの調子だ。
姉から恋愛相談を受け、思春期・反抗期真っ只中のような状態の彼はどう思っていたのだろうか。
……少なくとも、よくは思っていなさそうだが。
(………チッ……大体姉ちゃんが男に惚れるなんてあるか……?…………今度会いに行く。絶対行く。行ってそんでソイツぶん殴って確かめる。よし。)
彼の中で、あまり良くない方向に自己解決が進んでしまったようだ。
〜その頃〜
「へくしゅんっ!ズズッ………なんだ…風邪か?今なんだか少し寒気がしたような……」
「あら…大丈夫ですか?あまり無理はされない方が……」
「いや、この悪魔に魅入られし俺が風邪を引くなど断じてあり得ん!体調もいつもと変わらないし大丈夫d_」
「あっ!」
そう高らかに宣言しながら転けそうになるライラを、アテナは咄嗟に支えた。
地面には移動教室の科目の教科書類が散らばる。
「う……うむ……悪いなアテナ…」
「い、いえ………」
いつもよりも近い距離にお互いドギマギしていると、授業の鐘が鳴った。
「あっ!いけない!急がなければ……!」
「ぅあっ!?ちょ……まて……はやいぞアテナ……
!」
スタスタと移動教室に向かうアテナと、それに着いて行くので精一杯のライラ。
この二人の関係は、今後どうなっていく事やら。
だが、案外幸せな日々を送っていそうだ。
「………なんか分かんねえけど気に食わねぇ…」
そう呟き、今日も暴れる一人の弟がいる事も知らずに。
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作者名:流花 | 作者ホームページ:___________
作成日時:2023年7月28日 22時