大丈夫だって (ページ34)

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あれから高地と北斗と別れて大我､慎太郎と一緒に樹が居る場所へと向かった。

"ICU"と書かれた場所に眠る樹はたくさんの管に繋がれている。

その痛々しい姿を見ていると､思わず口から本音が漏れてしまった。

「樹…目､覚めるかな…」

そこで､はっと我に帰る。

やってしまった…

いくら北斗の言葉があったからといっても慎太郎が気にしていない訳がない。

今の言葉は慎太郎を責めてるみたいじゃん…

恐る恐る慎太郎の様子を窺う。

すると慎太郎は

慎「どうだろうね…でも起きてくれないと困る。俺まだお礼言えてないし。」

と､真っ直ぐ樹を見つめながら答えた。

俺と大我も目線を慎太郎につられるようにして樹に移す。

視線の先の樹はピクリとも動かない。

3人の間に沈黙が流れる。

そこに高地と北斗が少し息を弾ませながらやってきた。

2人は息を整えると先生から聞いた話を俺たちにしてくれた。

大体は手術室の前で聞いた内容と同じだった。

だけど今回は少し状況を理解したせいか､さっきのように取り乱さず冷静に聞くことができた。

話が終わり外を見て､空が真っ黒に染まっている事に気づく。

俺はその後仕事が無かったためマネージャーの運転する車で家に帰った。