大丈夫だって (ページ17)

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よく聞いていると､そのスタッさん達は俺たちが良くしていただいているスタッフさんだった。

その会話の内容に俺は唖然とした。

ス1「SixTONESの田中ってやついるじゃん？正直あいつ邪魔じゃね？」

ス2「わかるわかる笑トークとか面白くねぇし番組出てもらっても困るんだよな。」

ス1「そうそう。爪痕残そうとしてんのがバレバレ笑他のメンバーはいいんだけどね〜」

ス2「あいつが居なければSixTONESはもっと売れてたよな。」

ス1「それは言えてる。あいつを入れたのは間違いだよな笑」

その後スタッフさん達は笑いながらどこかへ行ってしまった。

「あいつが居なければSixTONESはもっと売れてた」
「あいつを入れたのは間違い」

この言葉を聞いた瞬間､壊れかけてた俺の心はガラガラと音を立てていとも簡単に崩れ落ちた。

あぁ、迷惑かけてんな…

あれだけ迷惑かけないようにしてたのに…

俺は本来の目的を果たさずに楽屋に引き返した。

こんなに迷惑かけてんのにメンバーのところに戻っていいのか？

だけど俺の足は勝手に楽屋に向かっていた。

楽屋へ戻る最中もさっきの言葉が頭の中で何度も再生される。

さっきの言葉が耳にこびりついて離れない。

俺は迷惑…

俺がいなければ…

そんなことを考えていると楽屋の前に着いていた。

これ以上迷惑かけちゃいけないんだ。

だからメンバーの前では何事もなかったかのようにこの前までみたいに「田中樹」を演じるんだ。

そう心の中で唱え､深呼吸をして楽屋の扉を開けた。

大「あっ､おかえり樹…えっ、樹⁉︎」

みんなが驚いたように俺の顔を見る。

なんか変かな？

その時､きょもがびっくりすることを口にした。

大「樹…なんで泣いてるの？」

えっ。

びっくりして頬を拭うと確かに水分が手の甲に付着していた。

俺は泣いている…らしい。

俺は自覚がないまま泣いていた。