My landscape-5

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「幼稚園の先生は何とでもなるからここを止めて他の幼稚園に行ってもいいかなって。でも、子供たちに申し訳ない気持ちが大きくて。」


「ですよね。」





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ほうきでごみを集めながら俺は難しい話だなって思ってしまう。






「その……多いんですかね？」








思わずそんな質問をするとヒカル先生は苦笑いして「多分少ないと思います。」なんて言うからレアケースなんかな。難しい話やって思いながら隅にある落ち葉を集めているとヒカル先生は聞いてもないのに話し出す。








俗にいう、自分の気持ちを分かってもらいたいからの行動からだってわかっているけどダメなものはダメやん。ふと足を止め俺は息を吐きだしてからヒカル先生に伝える。







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「あかんと思っているなら終わらせたらいいんちゃいます？」




「大倉さん？」





「先生としてここにいたいなら今しかないと思います。別にええって思うならそれは辞めて新しい場所に移動したら全て丸く収まるとは思いますけど、子供たちは悲しみますよ。」





いたって真面目な話を俺は言う。





「みんなヒカル先生の事を好きですからいなくなったら寂しくなるって泣くと思います。それに真剣なら卒業してから堂々とお付き合いしたらええんちゃいます？」





ほんまに真面目な話をしている俺。






ヒカル先生の表情を見ると何か吹っ切れたような表情をしてこっちを見て「そうですよね。」なんて言うて立ち上がった。




「いや、そう言ってもらえて本当にありがとう。」




「何もしていませんけどね。ごく一般論を話しただけ。」




「そうですけど。」





「先生と追いかけっこに真剣勝負している子供たちですもんねぇ。」




「大倉さんも参加します。」




「俺？ムリムリ。」





「無理？おっさんだから？」






……ヒカル先生よりは気持ち若いんだけど、おっさん扱いされた。





「たばこの吸いすぎで、咳き込みます。」




「禁煙ですねそれ。」



「無理です。」





即答してから落ち葉を集め終えると、塵取りで落ち葉を入れてから裏山を見上げるとうっそうと木々が生い茂り、自然が真横にあるのはありがたいけど落ち葉は尋常じゃない。





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「昔、大倉さん読モしていませんでした？」




「は？」





「いやね、こないだ実家で片付けしていたら雑誌出て来て。そこに見たことある人がおるなって……」





指さしてにんまり笑ってからスマホ画面をどや顔で見せて来た。

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