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「来るのは絶対ダメ。」
「なんでさ、ゆゆちゃんのチェキ見たけどかわいかった。」
「ちょ、いつ見たん？」
「こないだ、大倉の元先輩が大切に持っていて見せてくれた。」
「まじで？」
「そう、ゆゆちゃんは男に見えないって。」
「……ははははははは。」
「恋したおっさんの目だった。」
「マジで勘弁。」
きっぱり言う言葉にヤスはむっちゃ悪い顔して言うねん。
「あの人はちょっとやばい感じ。」
「どいつ？」
「田村さん。」
俺の表情がきっと強張ったんやと思う。ヤスは「やっぱり？」なんて言うから俺は小さく頷く。
「あの人、そっち系だもんね。」
「まぁね。」
アイスコーヒーを飲んでから俺は大きなため息をしてからヤスを見た。
「気を付けておく。」
「常連なるで、あのタイプ。」
「俺が断ったら来れへんもん。そう言うの多いから、あの店って。」
「え？やっぱり見学行きたい。」
「だからあかんて。」
「ゆゆちゃんに会いたいやん。」
「絶対嫌だ。」
「ケチ。」
ケチちゃうし、ほんまになんでそんなに見学したがるんか分からへん。
3人の先輩の1人、田村さんはそう……ちょっとクセはあった。ボディタッチも多かったし、言い方悪いけど距離感がおかしかった。
後々から聞いてあの人はそっち系だって聞いて少し恐怖を感じたん。
だから距離を離したと同時位にいじめが始まったから原因はそれもあるんかな。
「あれを買いたい。」
「主語がないから、ヤス！」
本屋に入って自分の行きたい場所行くのはええんやけど、場所を言えって毎回思う。どこ行くか大概わかるんやけど、女性ファッション雑誌のコーナーにいるのは分かってるんん。あの怪しい風貌で雑誌見ていくって相当やで？そう言いながら、俺も最近の雑誌見てゆゆちゃんの服やらアクセサリーやら参考にはしている。今どきではおかしいんやけど、それなりにお洒落せんとしょぼいのは自分的に許せへんし。
数ページ見て気に入った雑誌を手に取っている時やった。
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2021年3月23日 16時
