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-----やっちまった
そう心の中でぼやくのは起きた時の状況。
入社1年目のガキでもないのに何をやらかしてんだってマジに思った。
アパートに戻るのはまず無理。
ネクタイの替えってロッカーに入っていたっけ？
シャツはもう仕方ない……なんて頭の中でぐるぐる考えてながらベッドに落ちているシャツを着ていく。スマホを見ればまだ6時だし、最悪……本社近くのネカフェでシャワー浴びれば何とかなるやん。
「帰るの？」
何てのんびりした声が聞こえる。
「仕事やねん。」
「言ってたもんねぇ、始発で帰ればって言いながら凄いんだもぉん。」
うわ、なにその言い方。
「そうやった？」
むっちゃ焦っていく俺に対してのんびりな子。
酒の勢いってマジにあかん……絶対普段では声かけそうもない子とシているんだから。カバンの中身は出してへんし、財布も社員証もあった。スマホをポケットに入れると「また会える？」なんて呑気な言葉を言われる。
「タイミングあったら。」
「LI〇E登録しない？」
「時間ないねん。」
「んー、なら名刺は？」
「持ってへん、また店で。」
「わかったぁ。」
「鍵はかけてな、じゃあ。」
むっちゃ焦って出るとポケットに入れっぱなしの眼鏡を再度確認してから一瞬考えた。
最寄駅知らんやんか、やらかした。
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メイン道路に出て慌ててタクシー拾って本社近くにあるネカフェに向かった。
この技を覚えたのはいつだったっけ
シャワーを浴びながら考えると、2年目で酒でダウンしたときやった。
帰るにも帰れないし、どうしようもなくて先輩に教えてもらった技を今でも利用中。
髭を剃り終えてから、洗面に置かれたワックスを手に取って準備を終えて何もなかったように店を出ればいつも通りの8時前。
正面の入り口はまだ人はまばらなんやけど、俺は本店側の通用口を開けて中に入った。新聞を受け取って窓口さんが入れ替えできるように置いてからエレベーターのボタンを押した。
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2021年1月18日 20時
