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俺以外にあの店に来る人なんておるんか？マニアックだし、確かに男率高めやけど
「行きつけだけど、恋愛対象は女の子ですから！」
「えー、つまらない。」
なんでそこでつまらないとか言うんよ、タナカさん！
「確かに1人で飲むのが多くてその店に行くけど、1人だからそりゃ仕方ないやん。」
「彼女マジにいないんだ。」
「ちょっと、そこで引かんで。」
「そこまで顔良くて彼女いないって言ったら女子は最高の妄想アイテムになるんですって。」
スマホを握りしめられてそう言う事言うタナカさんが怖いんやけど。
「企画部の松本さんと飲んでいるの聞いて、そりゃもう……小躍り出来ましたから。」
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ちょっと待って、なんで松本先輩と飲んでるの知ってるん？
「それに、経理部の玉森。1年下とこう、一緒にご飯ってなかなかないじゃないですか。」
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待って、待って、なんで俺と玉ちゃんが飯に行ってるの知ってるん？
「タナカさん？」
「なんです？」
「どこ情報？」
「秘密です。一部の女子の情報網は半端ないんです。」
力説されたんやけど、簡単に言えば俺に女っ気がないって事を言われているようなもんやん。
「彼女出来ないかな。」
思わず出た言葉は小さくてタナカさんには聞こえないレベル。
人差し指が異常にずきずきと痛むのは心も痛んでいるんやって。
まさかのゲイって……思われちゃう自分。
そうよな、キタミツと一緒にいればそう疑われる率も増すんやけど、うちの女子怖いんやん。
彼女なりたいんですオーラで迫ってこられたら誰だって逃げるで？
はぁ、指痛い。
「タナカさん帰ろうか？」
「はーい。」
本日も無事に終了した、明日は平穏な日がええんやけど。
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2021年1月18日 20時
