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心臓の音が耳元で聞こえる
なに？
なに？
触れた……
それは微かに震えた状態
.
一度
次に触れた時はすぐで後頭部を支えられて長く……
ほんの数秒の出来事が
分単位に感じ
時間に感じ
離れた時に動く唇
「会いたいんや、大倉に。」
小さい声で言う言葉
センセは感情に流されただけ。
この人には大事な人がおって、物珍しさで口にしている。
俺のような人に向けて言う言葉ちゃう。
そう……
俺のことを知ったら嫌うのが分かっている
どんどん早くなる心臓の音
.
言葉が出ないのはすぐに唇が塞がれたから。
冷静に考えるのは頭で心は完全にセンセに持っていかれていく
首に手を回し離れたくないってなるのは必然？
分からへん
真っ白になった頭
俺はセンセを受けれていく
分かったのは
センセの温もりは今まで感じたことのないものだった。
男のキスと女キスは違う。
簡単に言えば髭があるかないか。
そんなこと言うたら身もふたもないんやけど。
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「はぁ……」
「ため息すると幸せ逃げますよ？」
急に声が聞こえて振り返るとにんまり笑って小さく手を振っている人がおった。
「仕事サボりですか、丸山さん？」
「ちゃいますよ、仕事で来てます。」
妙に勝ち誇った顔で俺に言うけど、どう見ても仕事おさぼりしてここに来てますって言う空気を醸し出している。スーツのジャケット着用して名札が首から下げているから仕事？どっちでもええんやけど。
「ここ裏ですよ？お客さんで来ているなら表に行ってくださいよ。」
「表は表で人がおるからいいんですぅ。」
それで許されるってどうなん？先日入荷した花に水をかけていると丸山さんは俺の横に来て小声で言う。
「傷つける行動をしてすいません。」
「なんです？」
「ダダの……いや……社長の行動。忠義くんを傷つけてほんまにごめんなさい。」
水やりを止めて俺は小さく笑った。
「間違ってないですよ。」
思わず出た言葉に丸山さんは悲しい表情になり、すぐに悔しそうな顔になる。
「俺は丸山さんの弟だなんてありえへんし、恐れ多い事ですよ。」
「忠義くん！」
言ってはいけない言葉をもしかしたら口にしたかもしれない。でも、俺はほんまのことを素直に伝えていく。
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2020年11月17日 16時
