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「別れて即、付き合ったあれ?やて、嫌い!言うからそうなんやって思ったら別の子が好きって言うから。付き合いたい言うから、はいはい言うただけやもん。」
「女の敵や。」
「なんで?」
「そう言う所!別れて即付き合うから女に攻撃受けるん。」
「時効成立してます、はい。」
「逃げた。」
大笑いしてヤスはビールを飲んでから俺に言うたん。
「大倉はドキドキしたことないからそうなるんやって。」
「ヤスはなるん?」
「なるよ。好きになったら、ドキドキするし、胸がきゅん!と、なるし。」
「それ、心臓弱ってるんちゃうの?」
「そういうものなの!人を好きになると、その人見たら切なくなって、苦しくて、もどかしくなって……わからへん?」
「まったく。」
煙草の煙を天井に向けて吐き出すとヤスは少し考えグラスのビールを飲み干してから言う。
「恋したら分かる。」
「25歳で今更?」
「どこまでも遅い子で論文書く?」
「誰の得になるねん。」
「まったくない。」
最悪な論文になると思うんやけど。
「人を好きになるか……」
「この人と一緒にずっとずっと過ごしたい気持ちね。楽しいとかは今がそんな感じでしょ?」
「一瞬、ヤスと飲んだら?そう思ったらちゃうのか。」
「毎回?それは嫌や。」
「なんで?」
「大倉めんどくさいもん。」
「ヤスに言われたないし。」
なにこのお互いいじめ合う関係って。
でも、ほんまにわからないねん。
ドキドキする感覚が分からない。
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苦しい気持ち?
何万回考えても答えが出ない気がする。
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作者名:瀬奈 | 作成日時:2020年11月17日 16時