冬の刻-3 ページ13
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「ほんまに鬼なら会って見たくないか？」
それは禁断の言葉に感じた。
「会ってみたいんですか？」
「気にならん？忠義は？」
「気になりますね……」
「なら……」
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なんで俺は「分かりました。」なんて言うたんや。
ため息をして馬の手綱を手に絡めてから早朝の都を出たのは御勤めもない数日した日だった。皇子様直々のお願いと言う言葉を父に言えば二つ返事で見送ってくれる始末。反対してほしかった……なんて願いは虚しく消えたけど。友を連れて行く事が出来ないのが不安だったけど仕方ない。
都から離れたその場所は遠い昔の都があった場所で、更に山深い場所と知って一旦、宿を取ってから
俺は吉野山を目指した。
「この坂道を登っていけばその場所に着くかと思います。」
そう、宿屋の男に指示通り俺は山道を上がっていく。
冬の山は冷えていてこのまま無事に目的地に着くのか不安になる。少し肌寒いこの昼の刻はまだ薄っすら明るいからええけど。
「これ全部が桜の木？」
俺がそう呟いた時やった。
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「あんた誰？」
急に聞こえた声に俺は周りを見るけど人なんかいない。
「どなたですか？」
思わず小声でそう言うと「だからあんた誰？」そう声が聞こえたと同時に姿が見えた。
桜の木の上の方にいる男は……自分と同じくらいの男が笑ってこちらを見ていた。
「身なりからして都から来たって感じよな、そうやろ？」
そう言われ素直に頷くと男は木からひらりと降りて俺の前に立ち馬を撫でてから言う。
「この辺りに来るのに警護のもつけないなてアホなん？」
「はぁ……」
「世間知らずの坊ちゃんやな。この辺りは盗賊や追剥が多くて危険だって言う場所に1人で乗り込んでくるとは勇気は褒めてやるよ。でもここから先は行くのはあかん。」
「なんで？」
「俺の片割れが嫌がってる。」
「片割れ？」
「あんたがこの山に入ってから機嫌悪くてむっちゃ怖いねん。何した、俺の片割れに？」
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瀬奈(プロフ) - ミムラ様コメントありがとうございます。月詠記はあのまま置くのが一番と思い置かせていただきます。こちらは新たに書き足して進めていきますのでこれからも宜しくお願い致します。 (2020年6月13日 16時) (
レス) id: d70537b0b4 (このIDを非表示/違反報告)
ミムラ(プロフ) - よかったです。世界観、書き表し方とても好きです。何度も読み返してます。消さないでほしいです。次も楽しみにしています。 (2020年6月11日 21時) (レス) id: 39731cc6b3 (このIDを非表示/違反報告)
瀬奈(プロフ) - kkoyanagi様 コメントありがとうございます。前のお話をもっともっと向き合いたくて、まずは最初から書いてます。ゆっくりあのお話に繋げていきますのでお待ちくださいね。 (2020年3月9日 20時) (レス) id: d24f83f6f0 (このIDを非表示/違反報告)
kkoyanagi(プロフ) - 良かった、前のお話凄く気になっててどうなるんかなぁって心配でした。有り難うございますゆっくり待ちます。 (2020年3月9日 7時) (レス) id: 46c9530258 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2020年3月3日 18時
