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「白拍子の末路や。」
「白拍子？」
「都におったら知ってるだろ？あの、祭りがあれば舞って金をもらって生きていく白拍子。女は白拍子で食っていけるけど、男は無理やねん。囲われて生きていくか、女に食わせてもらうかのどっちか。」
苦笑いして言う彼は僕の傍に来てホクロに触れた。
「ずっと前、御所で偉そうな武士を見た記憶がある。」
「偉そう？それは叔父さんの力で僕はおこぼれでいた時代かもしれません。」
「今は落ちぶれてるん？」
「おばあさまと一緒にこの村に流れ着きました。時間の問題だと思います……山狩りをしているかもしれません。」
「権力争いって大変なんやな。」
彼の指が僕の唇に触れ、すぐに離れる。
思い出したように袂に入れていた袱紗(ふくさ)を彼に渡した。
「少しの金が入ってます、持っていってください。」
「は？随分と気前良くね？」
笑って言う彼を見て僕は岩に座って小さくため息をして夜空を見上げた。都と違うその空は今にも星が落ちてきそうで僕はすぐに彼を見た。
「戦はもうすぐで落ち着きますよ。」
「それって……」
「村でも話題になっているでしょう？ミカドご一行がこの先の寺に隠れているのを。」
彼は素直に頷く。
「きっとミカドの持ちだした神器を奪いに彼らはすぐに来るでしょう。時間の問題だって僕は思うんですよね……数日中にはこの辺りは戦場になります。」
「あんたは……」
「僕は逃げる事は許されない。」
「なんで？」
「それが家に生まれた男の宿命ですよ。」
「逃げればええのに……そんな家とか関係ないやん。」
「そう言うのもいいですね、憧れている言葉です。」
「なんで、真面目に言ってんやで？それとなんや、白拍子の端くれに言われたないって？」
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瀬奈(プロフ) - ミムラ様コメントありがとうございます。月詠記はあのまま置くのが一番と思い置かせていただきます。こちらは新たに書き足して進めていきますのでこれからも宜しくお願い致します。 (2020年6月13日 16時) (
レス) id: d70537b0b4 (このIDを非表示/違反報告)
ミムラ(プロフ) - よかったです。世界観、書き表し方とても好きです。何度も読み返してます。消さないでほしいです。次も楽しみにしています。 (2020年6月11日 21時) (レス) id: 39731cc6b3 (このIDを非表示/違反報告)
瀬奈(プロフ) - kkoyanagi様 コメントありがとうございます。前のお話をもっともっと向き合いたくて、まずは最初から書いてます。ゆっくりあのお話に繋げていきますのでお待ちくださいね。 (2020年3月9日 20時) (レス) id: d24f83f6f0 (このIDを非表示/違反報告)
kkoyanagi(プロフ) - 良かった、前のお話凄く気になっててどうなるんかなぁって心配でした。有り難うございますゆっくり待ちます。 (2020年3月9日 7時) (レス) id: 46c9530258 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2020年3月3日 18時
