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紙コップの珈琲を飲んでいるとオヤジも座って周りを見ていく。
「休憩室見て楽しいん？」
「なかなか裏側は見れない。裏側が汚れていれば表の綺麗なのはウソって事を教えただろ？」
腹立つ言い方を俺に向けてするけどその言葉には反応せんし。
「来るなら来るって連絡しろって言うたよな。」
「言ったら拒否するだろ。」
「当たり前やん、どこにオヤジが来て喜ぶ子供おるん？」
「昌行は喜ぶ。」
「あれは副支社長だから喜ぶんやって。」
そうか？そんな顔してマジにこの人分かってへんし。ポケットから電子タバコを出して吸った時やった。
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「頼みがあってな。」
オヤジの声はさっきまでの明るい口調から変化する。仕事モードに切り替わった瞬間や。
「嫌や。」
「言う前に嫌がるやつがどこにいる？」
「考えている事分かるねん、この後付き合えって言うんやろ？」
「分かってるな。」
「散々その手で振り回されたから分かるに決まってるやん。なんで兄貴連れてこなかったん。」
「忠義がいるから行かないと言ったんでね。」
「クソ兄貴……今から呼び出せば間に合うって。」
「なんでそんなに嫌がる。」
「俺は会社に関わりたくないんやって。」
「博にアドバイスしといて？」
「あれはたまたまやって。」
「忠義。」
「甘えても嫌や。俺は絶対会社に関わらへん。」
イライラした口調で言い返すとオヤジはにんまり笑って俺に言った言葉は完璧な悪魔の囁きやった。
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俺の意志はコースデザートと言う言葉と、予約の取れない店と言う言葉に死ぬほど弱いです……
神様の意地悪！
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2019年12月3日 18時
