レジレコ短編物語

Story of 珀 ページ31

珀「とうとう卒業式か―・・・」

僕の勤める高校の卒業式が今日開かれる。

思い返せばいろんな事があったな―。満開の桜を見つめながら思い返す。

僕の受け持ったクラスは個性的な子ばかりで、一年間楽しかった。

受験生らしく、みんなで一致団結して第一志望に受かるという目標の中

楽しくやってきたクラスだったので正直別れるのが辛い。

さて、そろそろ体育館行かないと。


卒業式が終わった。みんな学校の思い思いの場所で写真を撮ったり

友達との別れを惜しんだりしている。

『珀先生！』

大きな声に振り返ると、僕の生徒―――加藤Aがいた。

珀「加藤さん・・・」

「あの・・・今までありがとうございました。私、大学で一生懸命勉強して

珀先生みたいな立派な先生になります。」

珀「そっかー・・・僕みたいな先生になっちゃだめだよ？加藤さんなら

もっと素敵な先生になれると思うから。」

「先生・・・」

次の瞬間、Aが僕に抱きついてきた。

珀「おわっ！？」

「私、先生と離れたくなかった・・・珀先生が、本当に大好きで・・・

ずっと一緒にいたかった・・・」

僕はAを体から離しながら言った。

珀「A、ここからがスタートなんだよ。夢をかなえるためには

前を向いて進んで行かなくちゃならない。だから、いつまでも僕に甘えてないで

頑張るんだよ？」

「はい！ありがとうございます。今まで本当にありがとうございました！」

僕も別れるのはつらいけど・・・いつかまた会えると信じてる。

さよなら、みんな。

さよなら、A。

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