キセキ210 ページ5
青峰、黄瀬、黒子
高尾、火神、白凪
それぞれ分かれてみると新鮮な組み合わせだ
白凪は腕を組み火神を見上げ
それから高尾を見て首を傾げる
A「こっち不利じゃない?」
高尾「思った」
はっきり言ってしまえば、火神以外では相手にならないのでは
まともに呼吸を合わせたことすらないチームで、チームとして勝つのは難しい
だから、結果からいえば惨敗だったのだけれど
悔しそうだったり
楽しそうだったり
笑うメンバーを見て、白凪は思わず悪態をつきそうになったのだ
見たことの無い黒子のシュート
止められない青峰
読み切れない黄瀬
全部
全部
自分にはもう、届かない存在だった
A「(は…はは、そりゃ、そうだよな)」
この合宿中、何度も見てきた
だから白凪は勉強中の日向の言葉に反発したのだ
全力で取り組める
いつか治る故障
練習しただけ力になる人と違って
今の白凪には、無理をするだけその精度は落ちていく
頑張れば頑張っただけ結果に表れるのは一瞬で
その直後には陥落するだけだ
だから、差は開き続ける
全力で楽しむことなんて、もうできない
A「くっだらな…」
握りしめた拳が震えた
そんな白凪の隣に立っていた山崎は、声をかけずにただ隣にいた
それでいい
しかし、その呟きは体育館内にいやに大きく響いた
鋭い視線がどこかから向けられた
それは間違っていない
白凪の視線の先にはバスケを楽しむ人の姿があって
ついさっきまでバスケをしていた彼が
くだらない
そう言うということは、それはバスケに対してなのだと容易に想像がつくからだ
そんなもの
バスケを好きな彼らにとっては、侮辱以外のなんでもないのだろう
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作者名:琉月 | 作成日時:2018年8月24日 12時