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mystery...17 ページ17

「...っ、なんでそんな嘘をつくんだ」


"俺は、そんなに頼りないのか?"
この言葉が頭にこびりついて離れなかった。
嗚呼、こんな悲しそうな顔をさせるつもりはなかったのに。
零兄ちゃんのこんな顔を見たのは二度目だろうか。まだ両親が亡くなる前のあの時―ヒロ兄ちゃんが亡くなった時―も、だったか。


『....わかった。話すよ。
でも、怒らないでね?』

先に念を押しておく。赤井の名前はタブーなのは知っているけど、赤井を隠していては話は始まらない。


『実はベルモットと初めて接触したのは帰国の2週間前で。幹部たち――とはいっても、ラム?だっけは声だけだけど、その人とベルモットにあったのが、帰国の1週間前。そこで、戦略家として入れてくれと頼んだ。

警察にコネクションがあるから、組織の一員として国の裏切り者になって組織に情報を提供するということも伝えた』

「は?この国を裏切るだと……?」

『もちろん嘘だよ。
それで、今あの組織にとって邪魔な組織があってそれを潰したい。何かいい案はないか?と問われ、作戦を立てた。
そして、その通りに彼らは実行した』

「結果は?」

『成功。だから大丈夫じゃないかって』

「へぇ〜。それで、その敵対組織の壊滅情報を教えてくれたのは?」

『あ、赤井さんです...』

「赤井か……。赤井が大丈夫だといったのか?」

『はい...』

ついに赤井の名を出してしまった。零兄ちゃんの前ではうまく隠し通せない。隠し通せば、またあの悲しい顔をさせてしまうことになるからだ。...まったく、狡いもんだ。

零兄ちゃんはしばらく何も言わず、ただ顎に手を当て、何かを考えているようだった。
しんと静まり返った空間に、やけに自分の鼓動の速さだけが頭に響いてきて、なんだか気持ち悪い。
歩者分離の信号だったため、通常よりも待ち時間が長く感じれたせいもあるのだろうが。


「…………よく、話してくれた。ありがとう」

それだけ言って、頭を撫でまわしてくる。


『えっ……!?』

びっくりしすぎて、思わず零兄ちゃんを二度見、三度見してしまった。


「ははっ、そんなに驚かなくてもいいだろう」

信号が青に変わり、私の頭から手を離し、前を向きアクセルを踏んだ零兄ちゃん。
その横顔はいつも通りの降谷 零に戻っていた。
ほっと安心したのもつかの間、零兄ちゃんはとんでもない爆弾発言をその笑顔で落としてきた。


「俺じゃなくて赤井を頼ったのは心外だが、まあいい....話してくれただけ多めにみてやる」

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壟薇 - 面白いです!更新頑張ってください! (2019年9月19日 3時) (レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
ミモザ - すっごく面白いです!次のお話も楽しみにしています!頑張って下さい! (2019年7月26日 11時) (レス) id: 9414b767e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シャラルー☆ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年4月28日 21時

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