◇願いは哀れに夢へ堕ちていく---br ページ21
《とある曲をインスパイアしたものです》
7:00。とても健康的な時間に目が覚めた。
温かいお日様に丁度いい気温。
いつもは11時くらいまで寝ているというのに。
……いや、前はこのくらいの時間に起こされてたんだっけ。
ベッドには少しスペースが空いていて、ちょうど人ひとりがすっぽりとはまる大きさだった。
突然話が変わってしまうが、僕の彼女は家にいない。
どうやら会社が忙しいらしく、比較的近い女性同僚さんの家に泊まり込んで働いているのだ。
前は朝も夜も一緒にいたのに、今はほとんど顔を合わせていない。
「……あ''〜〜…久しぶりに会いたいな……」
きっと疲れているだろうからいっぱいハグをして、
一緒にご飯を食べて、なんなら一緒にお風呂もいいなぁ…
とにかく、いっぱい愛を伝えたい。
気がつけば掛け布団を抱きしめてそんな妄想を繰り出している。
これで数十回目。さっさとご飯を食べよ。
正直言ってつまらないテレビ番組をBGMに卵をフライパンへと落とした。
「あ、割れた…」
ついてないな。
そんなどうでもいい事を考えながらも焼けた卵焼きをお皿に乗せて他の食べ物を用意した。
適当に口に放り込んで食べ終われば虚無感に襲われてしまう。
ふと窓際に目をやると誕生日プレゼントに送られてきた赤いバラが目に入った。
そういえば水替えしないと。
「……ふふっ。」
バラの水換えを終えてしばらく眺めていると口元が緩んでしまった。
彼女がいない今、このバラは僕にとっての彼女のような役割を果たしていた。
見ていると心が軽くなって、今日も明日も頑張ろうと思える。
「今日こそ、日が落ちたら帰ってくるかな。」
何度も願った事。
でもその願いが叶ったことは一度もなかった。
もしかしたら彼女は僕の事がどうでも良くなったのかもしれない。でも、
少なくとも、前から彼女が愛していた僕は変わっていないし明日も変わらない。
だから焦らずにただ願う。ただ、願って願って待つだけだ。
それが哀れな願いだとしても。
明日は愛を伝えられるよう。願い続ける。
．
イェーイはぴば〜！！！(遅い)
いやー誠に申し訳ありまんでした。
やっと出したかと思えばちょっと暗い話だし…まぁ、ね？
前と同じくイラスト貼るので苦手な方は閉じてね！！
．
◆貴方に縛り付く---nk→←☆遭遇してみたPart2---knのみ
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作者名：長月チョコ@09 | 作成日時：2023年10月12日 18時
