Friend Ship

どしゃ降りは彼を連れてくる。 ページ3

それは、2年前の梅雨時期。
連日どしゃ降りの雨で、外飲みをする人は少なかった。
そのせいで、喫茶店は、あまり人が来ない。

来るのは、ご近所さんか常連客だけだった。

A「マスター、お客様おかえりになります」

マスター「はーい」

客「いつもありがとうね、Aちゃん」

A「あ、いえ、またいつでもお越しください！」

お客は、少し嫌そうな顔をしながら、雨の中に繰り出した。

A「こんな雨じゃ、お客さんも増えませんね」

マスター「そうだねぇ…今日は早めに閉めようかなぁ」

A「そうします？」

マスター「んー…」

マスターと2人で悩んでいると、カランコロンと音がした。

A「いらっしゃい…ませ」

見ると、ギターを持った男の人がベチョベチョになってしんどそうに息をしていた。

「あ、あの…」

A「大丈夫ですか！？」

マスター「そこのソファーで横になってて。僕はタオルとってくる。」

A「とりあえず荷物おいて、そこに寝てください」

「すいません…」

マスターがもって来てくれたタオルで身体ふいてお布団をかけると、彼はスヤスヤと眠ってしまった。

A「大丈夫ですかね」

マスター「とりあえずはいいんじゃないかな。ごめん。Aちゃん、僕これから町内の飲み会なんだ」

A「あ、そうでしたね」

マスター「後はよろしく！」

A「はーい」

任せられても、この状況はどうしたら…

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