【あんスタヤンデレ短編集】狂いは全て、愛ゆえに。 (ページ11)

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衣更真緒の歪な忠誠心② ページ11

「A、ちょっといいか」

放課後。『Rabits』のレッスンに向かう途中、真緒君に呼び止められた。手には何枚かのプリント。

「これ、次のドリフェスの企画書。…どうだ？」

私にプリントを渡して完璧だろ、と言わんばかりの顔で聞いてくる。…ねぇ、真緒君。これは、私の仕事なんだよ。

「真緒君。もう、止めて。…企画書は私が作るから」

そう言ってプリントを破く。破かれたプリントはバラバラになり、地面に落ちた。良心が痛むけど、仕方ないよね。

怒られたってしょうがない。それでも止めてほしい。怖いの半分、真緒君が倒れでもしたらという心配が半分。

真緒君は怒らず、バラバラになったプリントを拾って、苦笑いした。

「こんな企画書、ダメだよな。もう一回作り直してくるよ」

プリントをグシャグシャにして、ポケットにつっこむ。何を言ってるの、ねぇ。

「作らなくていいって言ってるんだけど。もう私を助けなくていいから」

会話が噛み合わない。それだけで思った訳じゃないだろうけど、少し怖い。真緒君の瞳に、光がない。

真緒君は無言。答えを聞くこともなく、私はレッスンルームに向かって歩きだした。

少しでも、離れたくて、逃げるようにその場を去った。

＊＊＊

「お前に使われることが、幸せなんだけどな。何にもしなくていいのに」

Aの後ろ姿を見ながら小さく呟いた。お前に使われるの、助けてと言われるの、嬉しいんだぜ？…最近は助けて、何て言わないから言われる前にやってた。

全部、お前のために。皆おかしいっていうけど、どこがだよ。Aが好きだからやってんだぞ。苦労させたくない。

…にしてもあんな風に断られるの、初めてだな。もしかしてスバルと話していたことと、関係あるのか。

だとしたら…邪魔しないでくれよ、スバル。Aに使われることが一番の幸せなんだぜ。Aが殺せと言うなら殺す。助けてと言えば助ける。俺に死ねと言うなら自分を殺す。Aに危害を与えるつもりなんて一切ない。なのに、

なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで。

「どこがおかしいっていうんだよ。おかしいのはお前らだろ、スバル」

(最初はただ、助けたいと思っただけ)

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リクエストありがとうございます！遅くなった上よくわかんない話になり、申し訳ないです。