能力の申請 ページ10
Aside
「この一ヶ月は体力作りのために毎日朝昼夜で計一時間半のランニングが必要だね」
「錬金術は三人で集まった時に毎日一時間かナ」
「身体を俊敏に動かすための特訓も忘れないでよねぇ」
私たちは案を出してはノートに書き出し[一日のスケジュール]と書かれた円グラフに詰め込んでいく。詰め込みすぎだと自分でも思うけどこれぐらいしないとやっぱりダメだ。
「あとは合体技があればいイ。ボクとA、霧と念の合体技なら案外いけそうダ♪」
「もう少しでS1があるからそれまでに完成させたいね」
S1というのは最低三人でユニットを組んで申し込めるいわゆる団体戦だ。能力者がドームで争い合う熱くも激しいバトルは見ているだけで心が躍る。成果を残せば昇格にも繋がるので私たちにはチャンスと言ってもいい。
そしてS1は団体戦というだけあって合体技が見せ場となる。一人で行うよりもずっと迫力があり相手に多大なダメージが与えられる。
「三人やっと揃ったからね!合体技すっごいしたい!けど………」
できたらかっこいいけどタイミングとか難しいっていうし時間的に間に合うかどうか心配だ。
ガタ、と椅子が床をする音がした。
途端、泉が席から立ち上がった。
な、なにごと。
「待って、俺たちあれやってないじゃん」
「あれって?」
「S1の申し込み!」
泉が声を荒げ、教室が急に寒くなった気がした。
「「あ、やば」」
急いで三人で申し込み申請へと生徒会室に向かう。
申し込みっていつまでだっけ?
時間大丈夫だよね?
Gの部屋から一番遠い生徒会室。今日はさらに遠く感じた。
生徒会室前へつくと夏目くんがドアを思いっきり開けた。
「やぁ?どうしたんだい?」
天祥院が椅子に座って資料を眺めていた。S1の申請書だ!
「申し込みするかラ!申請書かしテ!」
ああ、と天祥院は机の中から一枚用紙を取り出す。
「間に合ってた!」
私は歓喜の声を漏らす。しかし天祥院は首を振った。
「一時間遅れているよ?」
「えっ、」
「そんな…」
せっかく三人揃ったのにS1に出れないってこと?
申請に遅れるということが意味するのはそれしか考えが浮かばなかった。
私たちは絶望した。やばい、これは心にくる。
目頭が熱い。脱力を感じる。
痛い、痛い、心が痛い。
そんな絶望に浸った私たちを見て天祥院は笑顔を浮かべた。
「君たち、貸しだよ?」と、申請書を私たちに差し出しながら。
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朝霧藍 - 気にしない方針で大丈夫です。ありがとうございました。 (2017年9月10日 18時) (レス) id: f5e9b9845d (このIDを非表示/違反報告)
玲瓏(プロフ) - 朝霧藍さん» いや、ありがとうございますですが、、、。似てても、もう気にしない方針でいいでしょうか?これも何かの縁です。朝霧藍さんも頑張ってください!わざわざありがとうございました! (2017年9月10日 12時) (レス) id: 84d9c8d630 (このIDを非表示/違反報告)
朝霧藍 - 読ませていただきました。たしかに、似ている部分がありますね。でも、玲瓏さんの方が圧倒的に話の書き方が上手です。最初の一話読んだらその次も読みたくなってしまい、気づいたら全部読んでました。更新頑張ってください。応援してます。 (2017年9月10日 11時) (レス) id: f5e9b9845d (このIDを非表示/違反報告)
玲瓏(プロフ) - 朝霧藍さん» 朝霧藍様も少し読んでみていただけませんでしょうか。意見が欲しいです。最初の一話でいいので。 (2017年9月7日 16時) (レス) id: 84d9c8d630 (このIDを非表示/違反報告)
玲瓏(プロフ) - 朝霧藍さん» 見てきました。確かに似ているような点もありますがよくある設定なので仕方ないかと。 (2017年9月7日 16時) (レス) id: 84d9c8d630 (このIDを非表示/違反報告)
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